先号記事で戦略と戦術と書いた。
では、鑑定協会の取るべき戦略とは何であろうか。
簡単なことである。
取引情報が鑑定評価の根幹を占めるモノであるという認識
当たり前過ぎる事実を再認識することである。
ここで注意したいのは「取引価格事例ではない」ということである。
取引情報が大事なのである。新スキームで云うならば「異動通知デジタルデータ」が重要なのである。
この「異動通知デジタルデータ」さえ、早く確実に入手できれば、次の調査工程は何とでもなる。我々鑑定士は既に四十年以上の調査実績やノウハウを有しているのである。 ところが、多くの識者は「異動通知デジタルデータ」の存在について意を払わないのである。払っているのかもしれないが、優先順位を間違えたり本末転倒の議論を始めるのである。
いわく「調査費用は誰が負担する。」
いわく「過重な役務負担は耐えられない。」
いわく「分科会内部でさえ、厳重に守秘しろ。」
いわく「入力ソフトの使い勝手が悪い。」
いわく「公示委嘱期間外の調査は受けられない。」
いわく「ネットワークの構築は負担が大きい。」
いわく「ネットワークは無用である。」
いわく「紙で閲覧させれば大量漏洩は起きない。」
等々である。
もう一度云おう。
「異動通知デジタルデータ」の安定的確保が最優先課題である。
全国の「異動通知デジタルデータ」入手が最優先課題である。
そして、その要請を担保するものとして、安全・高速・オンラインネットワークが不可欠なのである。「異動通知デジタルデータ」が高度に守秘を求められるデータである以上、その管理に万全を期す必要があり、そのツールとしてオンラインネットワークに優るモノはないのである。
デジタルデータの移動&管理をCDやMOやDVDで行おうとするのは論外なのである。
もう一度云おう。
戦略目標は「異動通知デジタルデータ」の全国全データ確保。
その戦略ツールは「ブロードバンドネットワーク-VPN」なのである。
関連の記事
- NW構築企画要旨 : 2006年10月5日
- 鑑定協会は今 -2- : 1999年3月11日
- 新スキームと閣議決定(戦略と戦術Ⅱ) : 2006年2月12日
- 戦略と戦術 : 2006年2月11日
- 士協会NW構築答申(案) : 2006年10月13日
- 協会整備委0225 : 2005年2月26日
- 不動産鑑定:悉皆調査とREA-NET : 2008年3月14日
- 士協会NWと鑑定協会NW : 2005年8月28日
- 士協会NW構築の1 : 2005年4月22日
- 事象の連鎖-2 : 2007年7月28日