地方の証券化支援-2

 証券化支援の続編を書く前に、以前にも紹介したことがある「白川勝彦氏の永田町徒然草」というBlogに語呂の佳い文章があったので、少しパロってみた。


 原文は【】内に表示する。

 最後は“鑑定士【有権者】に対する信頼”である。鑑定士【有権者】は国交省や市民【野党】が期待しているほど賢明でないかもしれないが、国交省や市民【野党】が考えているほど暗愚でもない。鑑定士【有権者】が賢明な判断ができるかどうかは、実は国交省や市民【野党】と鑑定士【有権者】の協同作業なのである。以上の点をふまえて、鑑定士【野党】が正しい問題提起をすることである。
 正しい問題提起があれば、国交省や市民【有権者】は必ずこれに応える筈である。正しい問題提起をするためには、鑑定理論と鑑定的センスを研ぎ澄ますしかない。それは、非常な努力をするしかない。僭越ではあるが、私がこのWebサイトで述べていることは、まず鑑定士【野党】にいいたいことを書いているのである。でもほとんど読んでいる人はいないようである。まあ、いいけどね。

 このパロデイの何処が証券化と関連があるかといえば、それはおいおいに語ることにしよう。先ずは「地方における不動産証券化市場活性化事業」を提起しているのが国交省なのであり、それに応えなければならないのは鑑定士なのだと云うことを自覚してほしいのである。茫猿は不明にして見過ごしたのである。正確に言うと見過ごしたのではなく「醒めた目で冷ややかに見ていたのである。」
 なぜ醒めていたかと云えば、REITは一つのピークを越えたと観ているからである。今はグループ系列の私募債をREITへ繰り入れる方向に向かう状況にあり、それは利益背反行為に為りかねない状況にあり、その一つの反映がダヴィンチ事件であったと思うのです。また地方にそれ程多くの証券化対象案件が存在しているとも思えず、投資資本が存在するとも思えなかったのです。
 国交省の概要書に拠れば

『不動産証券化の社会実験等を通じて、地方都市における証券化のノウハウ蓄積と人材育成を図り、地方不動産証券化市場の裾野の拡大を実現することにより、地域経済の活性化を促進するとともに、新たな雇用機会を創出し、再チャレンジ社会の実現を推進する。』
◇地方の中小不動産業者・不動産鑑定士等を対象に社会実験参加のための不動産証券化に関する講習会を実施。
◇地方都市に於ける不動産証券化の課題等を整理し、検証結果報告書を作成。
◇ファンド組成のための社会実験を実施し、モデル組成過程報告書を作成。

 と記されていたのであるが、何やら絵空事にしか見えなかったのである。いつのまにやら茫猿が最も嫌う「現実はそんなに甘くはナイゼ」思考に陥っていたのである。
 でも先日出会った(次世代をリードする鑑定士の一人である)彼は違っていた。「今、我々が向かうべき道はこれしかない。」と熱く語り「不動産の流動化・証券化に関する実施過程検証等事業」に応募しようとしているのである。茫猿は何かできることがあれば応援したいと思います。「枯れ木も山の賑わい」として必要であれば名前を連ねてもいいと思っています。やってみなければ判らないのである。やる前から「現実は甘くない」などと云っていては何も始まらないのである。
鑑定士であるからこそ、先ずチャレンジする。チャレンジするために勉強する。結果がどのようになるにせよ、そのチャレンジも勉強も努力も様々なものが何かの種となっていつか芽をふくはずである。忘れていた「一歩を踏み出すことの大切さ」を彼から教えられたのです。
 それでも述べておかねばならないが、地方の不動産証券化には重大な懸念が一つ残っているのである。それは、証券化ということは不動産の流動化であり、同時に証券の購入者つまり外部資本(投資家)を地方に呼び込むと云うことである。これは上手く行けば地方の活性化につながり、とてもよい相乗効果を生むであろう。しかし、流れが反転すれば或いは投資家の期待する成果(利回り)が上げられなければ、資本はたちまちに見切りを付けドライに見放すであろうということである。
地方がそれに耐えられるかどうかは、よくよく考えておく必要がある。いわば地方の東京化でありグローバル化なのであるが、それが直ちに好ましいのかどうかは次元を異にするという気がしないでもない。
※「第1回 ARES不動産証券化マスター養成講座」のモニター受講生座談会
 JAREA Securitization of Real Estate からリンクする不動産証券化協会の「不動産証券化マスター」についての理解を深めるために読んでみましたが、正直判らないことが多すぎました。でも読んでみるべきでしょう。

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