地方の証券化支援-3

(社)日本不動産鑑定協会公式サイトに 「証券化鑑定コーナー」が開設(2007.4.9)されました。この頃は鑑定協会の対応は何かにつけて素早くなっており、会長選挙結果も、奈良の鑑定士問題も日をおかず情報提供されています。「証券化鑑定コーナー」も「ご利用者の声」コーナーを設けるなど協会にしては珍しく行き届いた構成です。


 そこで、早速に「利用者の声」コーナーに末尾掲載のような投函をしてみました。ただし、投稿は一方通行で非開示であることから、あえてここに開示するものです。もう一点感じたことは、この「地方の証券化支援事業」に関して、[茫猿の僻みを承知で申さば]情報の偏在を感じます。(社)日本不動産鑑定協会の少なからぬ人たちは「知る人ぞ知る」という状況であっただろうと思われます。当然のことながら、国交省のサイトを丁寧にウオッチングしていれば知り得たことではあるが、事前のブリーフィングや常務理事会、理事会、関係委員会情報等についての情報開示や広報がもう少し親切丁寧であればと思えるのである。『実態は何の広報も周知行為も、鑑定協会よりは無かったのである。』
 鑑定協会には業務推進委員会という組織がある。また証券化関連専門委員会もある。業務推進や業務拡大の得難い機会であろうに業務推進委員会は見過ごしているのが残念である。証券化についての得難い実地研修機会であろうに証券化関連専門委員会は見過ごしているのが残念である。
 推察される見過ごし理由の一つは、「東京、大阪、名古屋の不動産物件を除く」とはあるが東京等大都市在住鑑定士を除くものではないし、都市圏とくに東京在住の一部鑑定業者にとっては自家薬籠中の事柄であり、新しいビジネスチャンスと考えられるものでもあろうから、知り得た情報を広く開示する意図はなかろうと考えるのが自然である。ここでも必要に応じて地方在住の鑑定士を誘い込めばよかろうと考えるであろう。『地方在住鑑定士の下請けフリーター化なのである。』
 とすればこそ、地方の単位士協会の出番なのではなかろうか、実現が難しいことは重々承知の上で云えば、手を上げて先ず講習会の主催者・共催者になることから始まるのではなかろうか。全国の士協会が地場において証券化講習会を開催して地場金融資本、地場不動産業者、地場企業並びに富裕層へ鑑定士の存在感を積極的にアピールする得難い機会なのではなかろうか。

「国交省調査要領」より
(事業内容)
不動産証券化に関する講習会や勉強会を実施する団体等に対して、講師謝金等実施費用の一部を支援します。
(団体等の要件)
① 不動産証券化のプレイヤー(アレンジャー、アセットマネージャー、プロパティマネージャー等)となる立場にある者(不動産会社、不動産鑑定業者、金融機関等)に対して、不動産の証券化に関する講習会等を実施する団体等。
② 地域経済の活性化、町並みの保全や観光の振興等を図るための資金調達手法の一つとして、不動産の証券化に関する勉強会等を実施する団体等。
③ U・Iターン希望者(地方において不動産証券化の知識を活用して再就職等を行う意欲のある者。例えば、都道府県やハローワークにU・Iターン希望者として登録されている者等。)に対して、不動産の証券化に関する講習会等を実施する団体等。

『鑑定協会サイト・証券化鑑定コーナーへの茫猿の投稿』
 所掌委員会等では既に承知のことでありましょうが、国土交通省:総合政策局と土地・水資源局は平成19年度において、地方における不動産証券化手法のノウハウ蓄積と人材育成を図るため、「地方における不動産証券化市場活性化事業」を実施する予定であり、その参加予定状況調査を4月16日を締切として実施しています。
 何しろ応募要領には不動産鑑定士、不動産鑑定評価書、不動産鑑定業者という名称が頻繁に使われているのであるから、これら状況調査や今後の動向について鑑定協会は積極的に情報を収集開示するとともに指導的役割を果たすべきと考えます。さらに鑑定協会会員が関与する応募事業について、クロスオーバー的に情報交換が行える場を鑑定協会は積極的に設けるべきであろうと考えます。
 事業に参加して成果を挙げてゆくのは個々の不動産鑑定士や鑑定業者の自助努力に待つものであることは云うまでもないが、とかく孤立無援になりがちな地方の鑑定士等の実情を思えば互いの情報交換の場を用意し相互の有機的ネットワークを構築する手助けをすることは鑑定協会として必要且つ有益なことだと考えます。
 さらに多くの地方士協会の実情からすれば、ことの成否はともかくとして単位士協会としても、この事業に積極的に取り組むことも研修的な意味だけでなく、将来の事業化端緒を得るという点でも意義在ることと考えます。そういった意味でも鑑定協会は指導的役割を果たして頂きたいものです。

『会長選挙』
 会長選挙は神戸冨吉氏の圧勝でした。ご当選をお祝い申し上げますとともに、山積する難題解決に向けてご健康に留意され益々指導力を発揮されるよう期待申し上げます。

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