始動が遅れていた09年度NSDI-PT事業も十月以降は順調に進んできたと思っていたのに、ここにきて停滞している。停滞の原因は判らない。 東京で何かが起きているのだろう。 特に悉皆調査データの二次三次的利用に関しては、所管庁が随分とナーバスになっていると聞こえてくる。
折しも、平成21年12月18日付け「平成22年地価公示について地価調査委員会報告事項」と題する文書が送られてきた。その文書は、悉皆調査データの二次三次的利用に関して、このように述べている。『”管理者”は、情報安全管理措置の確保等が確認されれば、順次、”対象組織”を拡大するとのことであり、早期の”全組織”への一次データ提供の実現を図りたいと考えていますので、情報の管理には十分ご留意下さい。』 この一項はこのようにも読めるのである。すなわち「安全管理措置の確保を確認」するのは管理者であり、何をもって確保とするのか、何をもって確認とするのかは何も判りません、ということである。 あいも変わらぬ、「由らしむべし知らしむべからず」ガバナンスである。
詳細な情報が得られていないなかで、憶測や深読みは避けたいけれど、状況証拠を総合すれば、ある種のセクトの埒外で悉皆調査情報の利活用に関わる事業が進められてゆくことへの不快感が醸成されているのだろうかと思われる。 悉皆調査データの有する価値に気付けば、その怖れは当然のことと理解できるし、それ自体(DB)が宝の山であることに気付くのであろう。 業界内外においてその宝の山を自らのコントロール下に置いておきたいと考えるのも至極当然のことと考える。
茫猿としては、だからこそ速やかにディファクトスタンダードを構築したいと考えたのであるが、どうやら先行き不透明な状況になったように思われる。手許の記録を調べると、「十二月中に採用GIS-ASPを決定すれば、年明けからの作業が円滑に進む」という事項に、その筋からはゴーサインが出ていたのであるが、その後ASP事業者からの企画提案見積書は集まったものの、検討並びに決定するであろう会合は先送りされている。 年明け以降に採用ASP決定が遅れたとしても、年度内構築が直ちに不可能とは考えないが、難しくなったのは否めないことであろう。
茫猿は悉皆調査DBが宝の山であればこそ、鑑定士が自らの意志と能力でもって、主体的に自治・自主・自律的にそれらを管理し、有効に利活用してゆくための、一つのツールとしてNSDI-PTを考えていた。 それは、これまでもこのサイト他で明らかにしてきたことである。 この意図に気付けば、NSDI-PT関連事業がディファクトスタンダード化する前に楔を打とうとするのも、これまた宜為るかなと思うのである。 《やはり、些か深読みに過ぎるかなとも思う。杞憂であればよかれかしと思う。》
《嘉手納も横田も三沢も平穏》
先日の記事で「失語症日本」と言ったのであるが、「普天間基地」を巡っては日米同盟が破綻してしまうと、とても喧しい。 日米同盟が軍事(的)同盟であるとすれば、普天間はともかく、嘉手納も横田も三沢もとても静謐なのをどう理解すればよいのであろうか。
嘉手納基地(3000m級滑走路2本)、横田基地(3000m級滑走路1本)、三沢基地(3000m級滑走路1本)である。いずれも成田、羽田、関西空港に匹敵する規模の航空基地である。他にも佐世保もあれば横須賀も存在する。 これだけの基地を提供しつつ、いわゆる「思いやり予算」も提供していながら、普天間基地移転の遅延一事だけで何故に日米同盟は破綻するのであろうか、とても理解できない。
確かに民主党内閣は切れ味に欠けるし、小沢支配と批判されても仕方ない出来事もある。 鳩山総理も小沢幹事長も政治資金問題では清廉潔白とはとても云えないようでもある。 でも永年の懸案事項を一刀両断とはゆかないのが当然だし、再検討を求めることが即ち選挙結果であり、民意ではなかろうかと思う。 声高に日米同盟の破綻や早期決着を求める意見は何を意図しているのだろうかと訝しいのである。
自民党やマスコミの論調で直ちに肯定できないことが一つある。 マニュフェストの変更や不履行は公約違反というのがそれである。 予想外の税収の落ち込みが出来したのであれば、096/08以前に作成したマニュフェストについて事情変更の原則が適用されても仕方ないと考える。 民意はマニュフェストの実行に期待もしたが、何よりも自公永続政権からの変化を求めたのではなかろうか。 変わること、変えてみることに期待を寄せたのだと考えている。
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