長良木曽背割り堤の桜

 買い物に出たついでに、あまりの陽気に誘われて桜を眺めに行った。 鄙櫻以外に、眺めようとして桜を眺めたのはこの春初めてである。 場所は岐阜県羽島市の南端、桑原町から愛知県立田村に続く、木曽川と長良川を分流する背割り堤の上である。 両河川を分ける堤防道路であるから、原則車両進入禁止であり、実際に大型車両は進入できない。道路は未舗装のデコボコ道だし、北端の桑原町地内から南進進入すると右(西)に長良川、左(東)に木曽川を眺めながら延々と南へ進むだけで、途中でユーターンもできない堤防道路である。


 物販店はおろか自販機もない、川と川とのあいだに通じる土手の他には何もない一本道である。桜は長良川側小段約2kmにわたって三百本くらい植えられている。樹齢50年以上の古木が列なる様はみごとであるが、堤防道路がほぼ直線であるから全体の見通しはきかないので、一望300本とはゆかない。 それでも平日の昼下がりだから訪れる人もまばらで、ウグイスの幼い声が「ホッケッキョン」(ホーホケーキョとはまだ鳴けない様子)と聞こえる以外は静かで長閑なものである。 対岸の長良川右岸堤防から桜並木を眺めたことは過去に数度あったが、現地を訪れるのは初めてで、弁当とビールがあればと思ったことである。(画面右手が木曽川の葭原)
   
 長良川側より眺める桜並木。(画面左は長良川、河口堰により水位が高い。)
   
 この桜の植えられている背割り堤は、明治20年から45年にかけて、オランダ人技師デ・レーケを招いて築造されたものであり、宝暦治水から連なる木曽三川治水工事の一環である。桜並木の北端桑原町地内には、三川分流碑が建てられている。画面左手の木曽三川輪中位置図の中央左上くらいに茫猿が住まう福束輪中もみえる。
   
 話変わって、4/4(日曜日)には、岐阜県鑑定士協会が初めて主催する市民公開講座が開催された。 立錐の余地もない満員の盛況とまではゆかなかったが、多くの聴衆を集めることができた公開講座は、初めての試みとしては成功と云える催し物だった。 写真は開会の挨拶をする水野雅文士協会会長である。
   

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