三岐鉄道・三岐線

過日、中部縦貫四県協議会に参加したのは既報のとおりであるが、その折りに名古屋で買い物をする予定がその気にならず、近鉄線で四日市へ向かう途中でふと思い立った。 かつて三岐鉄道北勢線(桑名-阿下喜)は踏破したものの、三岐線が未踏破であることに気づいた。下車駅を知らせる車内放送を聞いていると、次の富田駅が三岐線分岐駅だという。
協議会開始時間までは余裕があることから、富田駅で飛び降りて三岐線の乗客となったのである。 三岐鉄道三岐線は太平洋セメントを筆頭株主とするセメント輸送を主な営業目的とする路線であったが、現在は通勤通学者の輸送が主力となっている鉄道である。


2001年(平成13年)には開業70周年を記念して三岐線西藤原駅に蒸気機関車のテーマパーク「ウィステリア鉄道」を、2003年(平成15年)には同線丹生川駅に「貨物鉄道博物館」を開館し、ボランティアと共に貴重な鉄道車両の保存も行っているのだが、今回は時間や代行運転ダイヤなどとの関係から割愛するものである。
三岐線乗り換えの近鉄富田駅にて、右が近鉄本線、左が三岐鉄道。

三岐線の沿線は、富田駅を出てしばらくは四日市市郊外の住宅地を抜けてゆくが、直ぐに沿線は農村風景となる。 線路は藤原岳に向かって一直線に伸びてゆく。

沿線には、そこかしこにススキを見ることができる。

車内の中吊り広告もローカル色あふれて長閑なものである。

三岐線は、09/04の台風12号で橋梁が被災して、保々-梅戸井区間がバスによる代行運転区間となっている。 代行区間バスに乗り継ぐ藤原方面の駅は梅戸井駅である。

梅戸井駅を出て間もなく大安駅に到着する。縁起の良い名前の駅である。

セメント輸送の基点である東藤原駅。ミニトリップの終着駅でもある。

駅前には往事のセメント輸送に活躍した貨車が展示してある。 ホッパー車・ホキ5700型貨車。

東藤原駅構内には貨車や電機が多く係留されている。

駅頭より今もセメント用石灰が採掘される藤原岳の連峰を望める。

時間に制約される慌ただしいミニ旅行であり、割愛したものも多い旅だったが、それでも何とも長閑な旅だった。初めて経験する代行バス乗車、折り返し駅でのワンマン運転列車のホーム入れ替え作業、復路で購入した硬券切符など楽しかった。 この長閑さと癒しがあればこそ、その後刻に浴びた集中砲火にも余裕をもって忍ぶことが出来たことよと思い返している。

さて最後は、『鄙からの発信』定番の蓋・今回は四日市市の蓋。

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