雪国では除雪予算を使い果たしてしまうほどの豪雪に悩んでいると報じられている。我が鄙里では雪の少ない冬を過ごしている。 昨冬(2011.01.17)も一昨冬(2010.01.01)も除雪しなければ車を出せないほどの雪景色を眺めたが、この冬は今のところ薄化粧程度にとどまっている。 日毎に陽射しの暖かさを感じてはいるが、まだまだ冬が終わったわけではないし、梅の開花もいつもよりは遅れている。
何ということもなく過ぎてゆく日々のなかに2012年も一ヶ月が終わろうとしている。
鑑定業界にかかわることは日に日に少なくなっているのだし今さらの感も当然のことなのだが、なかで新スキーム問題だけは気懸かりである。年度内決着を目指す理由も垣間見えるのであるが、無理筋を通すことの是非も思わされる。どうせ無理筋ならばいっそのことひとっ飛びに懸案の一挙解決を目指せばよいのにと思えるが、そこまでの腰の据わりも見えてこない様子である。 執行部よ腰を据え腹をくくって当たれと、鄙からエールを送るのである。
いずれ月が替われば、新スキーム(名)を捨てる時(2009.06.20)に始まる一連の記事に相応の決着を付けてみようと考えているところである。 根幹にふれるような大事を考える時には「見えないものを」と思うのである。自分たちの利害得失から考えるのではなく、これから業界へ来たるであろう人々のことを頭において考えてみたいし、自らの立場からだけではなくて社会目線世間目線から見てみたいのである。
さて、茫猿以外には何の変哲も興味もない今朝の薄化粧である。 山茶花は終わり近く、開ききったロウバイにも雪が被っている。
そして、蕾がふくらみ始めた梅。
《閑話休題》
畏友田原氏のホームページが満十周年に達したとのことである。 十年間、延べ855本のコラムが掲載されてきたという。 氏のサイトの特徴は賃料及び利回り関連記事、そして事業用不動産に関わる記事の豊富さにある。 『鄙からの発信』などには及びもつかない専門性の高さを維持している。
当該記事のなかで田原氏はこのようにも述懐している。
辛辣な不動産鑑定評価批判の記事を書いていることは、不動産鑑定業は情報産業の業種であり、情報の世界に生きているのが不動産鑑定士であることを、不動産鑑定士は理解していないのではなかろうかと実感するからである。
また、物事の基準と言うものは、作られた直後から陳腐化が始まり、次のより良い基準への動きに移るものである。 そして現行基準が実態に合わなくなると改正される事になるのである。
田原氏の申されるとおりであろうと茫猿も考える。 不動産鑑定評価は優れて情報産業であるし、であるからこそ業界全体として情報の質と量を高めてゆかなければならないのであり、そのことこそが生命線であろうと茫猿は考えている。 さらに情報の質と量のみならず、情報を集積するために協働し共有するツールを強固にしてゆく作業も欠かせないものであると考えている。 悉皆調査や地理情報やReaNetにこだわり続ける所以でもある。 しばらく氏にお会いすることなく無沙汰を続けているのだが、彼のサイトが十年目を迎えたことをお祝いし、二十年目を迎えることを祈念し、次の上京機会にでも一献酌み交わしたいなどと考えているところである。
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