NSDI-pt:2012.12.19

去る12月19日午後、日鑑連会議室に於いてH24第一回NSDI-pt委員会(National Spatial Data Infrastructure)が開催されました。 日鑑連事務局に設けられているISPTメンバー並びにベンダーの参席も得て、稔りある検討が行われました。
(注) ISPT:Information System Promotion Team:情報システム推進チーム、外部SEも加わる特命チームであり、年度内に日鑑連が乱立させているサーバを整理統合することを事業目標としている。茫猿は快刀乱麻の活躍を期待している。

【H24 Nsdi-pt事業目標】
不動産取引情報並びに不動産取引価格情報に地理座標値を与えることにより位置情報を整備する。 同時に、現況調査の負担を軽減し、省力化並びに効率化を図る。 さらに地理座標値を基礎とするAPI(Application Program Interface) ルーテイングにより属性データの自動取得を促進して、属性データの精度並びに一元化に寄与することを事業目標とする。

【H24 事業計画】
H24年度は、取引価格情報の地理座標値取得・実証実験を行い、会員にオンライン開示する。
(a)取引事例について、ジオコーデイングにより座標値を取得する。
(b)取引事例地をモニターに表示されるデジタルマップ上に地点表示する。
(c)並行して、事例地の属性情報を取得して、表示する。
以上の実証実験を、年度末を目途に行い、実験結果をREA-NETにて公開する。
API ルーテイングにより自動取得する属性情報は、最寄駅、商業施設等とする。

【実証実験における開示予想画面】  121219nsdi (クリックすると開きます)

2008年より進められてきたNsdi-ptは五年を経て、2013.03には一応の段階に到達できる予定です。思わぬ中断を余儀なくされたこともあり、予定期には大幅に遅れることとなりましたが、何とか目途がたったと思っています。 しかし、その後の展望はまったくありません。

REA-NETの全国展開を日鑑連事業計画に挿入したのは2012.05のことでしたが、未だにはかばかしい進展は見られません。新スキーム二次改善案では2013.07を事業目途としていますが、閲覧料、契約問題その他の関連項目の改善が不透明ですからどのような結果になるのか予想できません。 REA-MAPに至っては、さらにその後のことですから、実証実験結果がどう利用されるか闇の中です。 REA-NETと同様に構築後五年も六年も要するのかも知れませんし、改善の混迷のなかに沈んで行くのかもしれません。

最近二年間の新スキーム改善問題を巡る迷走をみても思わされることですが、日鑑連という組織は自律性とか自治意識に欠けると云うか、戦略・戦術性に欠けると云うか、Intelligenceが乏しいというか、困ったものです。

このような表現を致しますと、返ってくるのは「日鑑連は一国一城の主の集合体だから、一筋縄ではゆかないのです。とにかく時間をかけねばならないのです。」という答えが多いのです。
一面では、この答えのとおりですが、逆に一国一城の主を標榜するのであれば、標榜したいのであれば、自律意識や自治意識が欠けてはならず、戦略・戦術性の重要性もIntelligenceの重要性も理解できなければなりません。 そうでなければ、一国一城は維持ができず、日鑑連も維持できないと気付くべきなのです。 別の表現をすれば、そんなことが全く念頭になくても、今日までそれなりに過ごしてこれたある種の幸せさが、今を招いているとも言えましょう。 茫猿はこのことを称して『鑑定士の不幸』と常々申しております。

宴席などでこんな愚痴を話すと、業界外の友人たちは異口同音に申します。 「お前みたいなドンキホーテ&年寄りの冷や水派は稀少生物なのだよ、先を読んでいる鑑定士はとっくに《自らの生き残り方法》を探しているだろうし、その時に業界団体の有り様などどうでもよいのだよ。 優秀なビジネスマンであれば在るほど、業界活動などには背を向けるものだ。」、「お前が嘆いているのが事実だとすれば、そんな無駄なことに時間を浪費していたら、自分の城が無くなってしまうだろうよ。」 彼らの指摘は正しいと思いますし、実際にもそのような例は多く認められます。

なかには、『鄙からの発信』を読んでくれている友人もいますから、「いつまでも口の悪い表現をしていると、それが真実に近ければ近いほど逆恨みを買うぜ。」とも言われます。逆恨みはともかくとして、煙たがられているのは感じますし、陰口も聞こえてきます。 それも残り数ヶ月です、関わったプロジェクトが一応の段階に達するのを見届ければ、遊行期が待っていると思っています。

「学生期」は今や追憶の彼方にあり、「家住期」はまあまあだったなと思い出し、「林住期」の評価はまだ先のことでしょうし、それよりも目前にある「遊行期」に備えたいと思うのです。

話変わって、これも今さらのことなのですが、不動産取引情報と価格情報について。
土地情報ライブラリーは、日毎に進化しています。 茫猿にとっては業務上の必要が無いから、サイトを開くことが少なくなっていますが、先ほど覗いてみたら、こんな情報が表示されていました。
例えば、「地図の場所【 東京都中央区銀座  付近 】」で、不動産取引価格情報を表示する地域をクリックしますと「東京都中央区銀座の宅地(土地) H23/7-9月~H24/4-6月 土地取引件数: 68件 取引価格情報: 4件」と表示されます。 ちなみに築地地区では29件/1件、京橋地区では22件/1件、日本橋地区では15件/0件です。

住宅地域に比較して商業地域における価格情報の回収率が低いことは経験値として承知していましたが、このように具体的数値として改めて示されますと、今さらに愕然とします。 来年度の不動産価格指数は商業地指数の構築に向かいますが、基礎データの不足は歴然としていることから、その対応策が急がれているのでしょう。 それが「不動産情報整備研究会・中間報告」にも現れていると思います。 それでもまだ、内輪のせめぎ合いに明け暮れするのでしょうね。

コンビニのゴミ箱のまわりへ餌を漁りに野鳥がやって来ている。寒くなって田圃で餌穫りをするよりは、楽に旨いものが手に入る(口に入る)のだろうな。シギかケリの仲間だろうが、よく見かける鳥だが、名前は知らない。

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