綿花と棉の花

標題は誤入力では無い。綿花《めんか》と棉《わた》とは似ている字だが、偏が糸と木で異なり、違うものを指している。だから、綿花と棉の花は異なるものである。棉は木綿とも云う。広辞苑で確認してみると、次のようである。
棉《わた》:アオイ科の一年草。花はアオイに似た底部が濃い黄色大輪。果実は熟すと開裂し白毛に包まれた種子塊を露出する。種子から綿実油をとる。(植物の一つの種属を指す用語。)
綿花《めんか》:ワタの種子を包む白色の繊維、綿糸の原料。(棉の果実が作り出す繊維塊を指す用語。)

我が鄙畑に棉が花を咲かせ果実を実らせつつある。茫猿が白い綿花を収穫しようと云うのでは無いし、白や赤の棉の花を鑑賞しようと云うわけでも無い。家人が知人に頼まれて、綿花《わた》のドライフラワーを作ろうと云うのを手助けしているだけである。

空いていた畑の隅に、家人が棉の種を蒔いたのは五月上旬だったと記憶する。家人は種を蒔いただけで、その後の施肥や除草などの作業は全て茫猿が行なった。蒔いた種は順調に芽を出したが、梅雨時の雑草に埋もれないように除草し、棉の木が大きくなってからは強風雨に倒されないように添え木をしたのは茫猿である。芽を出さなかったもの、風で倒され枯れてしまったものを除けば七、八本の棉が実りつつある。

《棉の花》右手に果実が見える。《棉の果実》熟した硬い殻が見える。開裂する4本の筋が見える。《綿花》ワタの種子を包む白色の繊維、綿糸、火薬、セルロイドなどの原料となる。今年放送中の大河ドラマ「おんな城主・直虎」の第16回「綿毛の案」では、井伊家の財政を立て直すために綿の実の栽培を始める様子が描かれている。日本における棉の栽培は戦国時代後期に盛んとなり三河木綿や遠州木綿、河内木綿が有名であったが、現在は輸入綿花が圧倒的である。写真の綿花は風で倒れた棉を切り花にしておいたら、次々と果実が開裂して綿花を見せたものである。この白い繊維塊を摘む作業がインドやアメリカ南部で名高い重労働の綿摘みなのであろう。

 

 

 

 

 

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