梔子の花の香

クチナシ(梔子)が咲いた。花の色は梅雨空に映えて白く、甘い香りを高く放っている。カンヌ映画祭でパルムドールを獲得したことから話題になっている、06/08(金)公開の「万引き家族」。 公開日と土曜・日曜をはずして昨日(06/11月曜)観てきた。珍しく家人にも誘われて、随分と久しぶりの映画館である。1,000円だったはずのシニア料金がいつの間にか1,100円になり、チケット売り場もタッチパネルによる自動券売機に変わっていた。

数台の自動券売機前には少しばかりの列が出来、係員が付き添って購入案内をしていた。月曜の昼下がりということでシニア層が列を作っていたせいでもある。スクリーンは客席数の最も大きい一番スクリーンだったが、客の入りは3〜4割というところか。平日の昼下がりだから常ならば1割にも満たない時があるのに比べれば、良い入りであろう。客のほとんどはシニア層である。思い出せば、この前映画館に来たのは孫を連れて何かのアニメを観にきた時だから、彼女が幼稚園に入る前のはずで、もう二年以上も前になる。《先ほど撮ったクチナシの花、この絵を何処に入れるか考えた末にここに直した。》

良い映画だった。この頃は耳の聞こえがよくないから、音声が届かないことがある。だから、ストーリーがところどころ理解できていない。樹木希林、リリーフランキー、安藤サクラ、松岡茉優、子役二人で構成されている”万引き家族”の成り立ちも、会話で徐々に説明されるのだが、所々聞き取れていない。

樹木希林は今さら言うまでもないし、リリーフランキーも安藤サクラも定評ある役者である。出番は少ないが柄本明の役どころは儲け物だろう。JKビジネス店で働く松岡茉優の演技でJKビジネスとはこういうものだと教えられた。

カンヌ映画祭の授賞インタビューで、安藤サクラの泣く演技が話題になっていた。アカデミー賞主演女優賞のハリウッド女優が、「もし今回の審査員の私たちがこれから撮る映画の中で、あの泣き方をしたら、安藤サクラのまねをしたと思ってください」と評したという”泣く演技”とはどんな演技かと楽しみにして観た。

号泣演技でも絶叫演技でもない、予備知識がなければうかと見過ごしたかもしれない。 でも観終わってしばらく経ってから、翌朝になってから「じわっとくる演技」である。「ああー、この手があったか。」という演技である。

海辺ではしゃぐ家族たちを浜で眺めながら、足をさすりつつ「ありがとうね」と呟く樹木希林、実はこの「ありがとうね」が聞き取れなかった。だから、この後の展開が少し飲み込めなかったけれど、今になって全てが腑に落ちてくる。過剰な説明が無いというよりも削ぎ落としたようなシナリオであり演技構成だから、樹木希林も安藤サクラも今になってジワッと泣かせてくる。

安藤サクラといえば、奥田瑛二と安藤和津の娘で、夫は柄本佑、義父が柄本明で義母が角替和枝という、家族だけで一座ができそうな役者一家だ。あの泣く演技は凄い、奥田瑛二と安藤和津と柄本明と角替和枝を凝縮したような凄味を感じさせる。こんな評価ができるのも、今頃になってジワッとくるのも、シニアになったせいだろう。

是枝監督は子役二人には脚本を渡さなかったという。前もって家で親たちに予習させられて、つまらない色が付くことを嫌い、演技直前にセリフを口移しで教えたのだと言う。だから子役二人の演技《予定調和をはずした演技》は、なかでも眼が口以上にものを言っている”大人たちを喰った演技”である。

先週のTV放映で「海街diary」を観た。今週は「そして父になる」が放映予定である。「是枝裕和監督 メイキング・オブ・万引き家族」については、本編を観る前に見るか、観てから見るか。

夏夕陽差しと夏雲、梅雨のさなかなれど風さやかなり。空の青さも日陰の濃さもすでに夏本番の趣き。

本日はシンガポール・カペラホテルにて米朝首脳会談。袴田さんの再審請求は東京高裁で却下された。天皇皇后両陛下は御在位中最後になるだろう福島訪問中である。

トランプ大統領と金正雲委員長のシンガポール会談が日本にもたらすものを覚えておきたい。朝鮮半島有事の場合に費用負担者は韓国と日本、北朝鮮非核化費用も韓国と日本が負担するとトランプ氏が言明している。口を利くのは米国大統領、財布は日韓負担ということ。同胞である韓国はともかく、日本は事前承諾済みなのだろう?

変わり身の早さだけが取り柄の日本国総理。 昨夏はJアラートを鳴らしまくり、「最大限の圧力」を叫び、攻撃的兵器を買い、解釈改憲に利用したのに。トランプが会談中止を言ったら「世界でたった一カ国」だけ支持したのに。トランプ大統領が米朝会談を予定通り行うと言えば、コロッと対話路線を言い出す。拉致問題解決さえもトランプ氏頼り。この変わり身の早さ、節操のなさ、中身の空虚さ。《この記事、No.2997》

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