陋屋の花

 我が陋屋のサクラも咲き始めました。大半のサクラがヤマザクラ系やエドヒガン系ですから、ソメイヨシノ系よりは一週間程度遅いのです。主に似て遅咲きの花なのです。まだまだツボミの桜も多くて、これから十日も二週間もかけて追々に咲いてゆきます。


 まだ三分咲き程度ですが、満開になれば水面に映えますし香りもゆかしいのです。背後に一段高く白い花が見えるのは辛夷(コブシ)です。これもまだ二分咲き程度です。

 同じ花を真東から。

 こちらは六分咲き程度の花です。このサクラは小粒で素朴ながらほのかに甘い実を付けます。これも実桜なのです。

  花くずの  草芽とありて  春はゆく
 庭先の駐車場に敷いてある小砂利のなかに芽吹いている小さな草の芽に、風に散らされた花びらが寄り添っているのを見れば、この春も迎えそしてゆくのだと知らされます。今日は、訳あって茫猿と同学年ながら一歳下の弟と高校生活を送った長年の友人に、久方に会いました。昨夏に逝った弟のことを語るともなく話題にしていると、ゆく春に亡き弟との幼い頃のできごとをふと思い出しました。還らぬ日々というものを思えばこそ、今をどう生きてゆくかと考えさせられます。この月末には弟にとっては初孫が生まれてくる予定です。私にとっては初めての甥孫なのか姪孫なのか、記念樹を植えるのもいいなと思っています。
 今生の  いまが倖せ  衣被(きぬかつぎ)    「鈴木真砂女」
 

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