海鮮丼とディナー

【只管打座・・海鮮丼とディナー・・04.08.26】
 先日、某呑喰処で面白い話を聞きました。
オーナーシェフ(捻り鉢巻きがよく似合う、板前氏)が、仲間と某海辺に魚を食べに行ったときのこと。彼等はプロですから地の魚が食べたいのであり、養殖の鯛やら鮃やらは願い下げであるのだが、間が悪く養殖鯛と養殖鮃の舟盛りが供されたそうだ。一目見だけで判るから箸を付けずにいたら、仲居さんが何度も勧めてくれる。それでも放っておいて、地魚の煮付けやら岩ガキやら烏賊蛸(イカ・タコ)などで酒を酌み交わしていたそうだ。
 舟盛りがどうなったか?
宴の終わりに丼を用意して貰い、全ての刺身を丼に放り込んでワサビ醤油で下味を付けてしばらく置いておく。
やおら、熱いご飯にそれらの刺身を山盛りにして、かき込む。お茶漬けにした仲間もいたそうな。茫猿もたまには、この手の食し方をするときがありますが、これは結構イケテル食し方です。お店には少しばかり嫌味ですが。
 でも、舟盛りを出しておけば喜ぶだろうと云う、店側の単純思考が問題なのであり、飽食の時代・多様化時代の飲食店や旅館の在り方が問われているのでしょう。
 なんで、こんな話をするかと云うと、
久しぶりに、畏友堀田氏のサイト『http://www.kanteishi.net/』に立ち寄り、『No.51 不動産をめぐるメディアの論調に注意せよ』という記事と『金融工学を独習するためのブック・ガイド』を拝読して、
つくづくと、資質の違いというものを思いしらされ、氏のサイトが格調高いディナーなら、我が『鄙からの発信』は、まさにこの海鮮丼だと思ったからです。
いいえ、それ程に卑下しているのでなく、正統と異端くらいのつもりですが。
 なかでも氏のサイトのブックガイドは凄いです。
何せ65冊です。なかには寝っ転がって読めそうな本もありますが、購入費だけでも凄いです。
 前から凄い人だとは思っていましたが、65冊全てに書評を付けている訳ですから読破された訳であり、改めて尊敬の念を深くしました。
氏の一番凄いところは、収益還元法だとか金融工学などというものにとても造詣が深いにも関わらず、それらの限界点や問題点を判りやすく示してくれるところです。
 よく居るではありませんか、御用学者的に収益価格万能論を唱える人が、そういった外連味(ケレンミ)など微塵もないのが、氏の凄いところです。
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
 諫早干拓事業について、工事差し止め命令が佐賀地裁で出されました。
米余り時代に、宅地面積に匹敵する休耕水田が生じている時代に、89年着工事業を(計画段階はもっと以前である)変更も見直しもなく、04年の今まで延々と継続する事業者側の姿勢に一石を投じた判断といえる。
 関西空港拡張工事と、伊丹空港、神戸空港併存問題も抜本的な見直しが必要なのであろう。そういえば、徳山ダム問題や長良川河口堰問題も環境と災害という観点から改めての見直しが求められてもよいであろう。
 限られた(限りが明らかになってきた)資源(環境資源・財務資源)の、有効活用というか、優先順位にメリハリを付けることが今こそ求められているのであろう。日本列島の海岸線や河川をコンクリート護岸だらけにしてしまってよいのか。白砂青松への憧れを郷愁だと、これ以上切り捨ててもいいのだろうか。

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