【茫猿遠吠:K氏の葡萄酒的日常:05.08.29】
総選挙の告示である。
客観的状況はまるで異なるのに、何故か大正デモクラシー終焉の時期のような。
気づいたら、十五年戦争に突入していたような。
そんな危険を感じる時期の総選挙である。
ここでの一票の行使は後世から転換点と指摘される予感がする。
十五年戦争が判らない方は「http://www.google.co.jp/」で検索してください。
十五年戦争にのめり込んでしまった歴史を、そんな馬鹿なと思う人は、
それ以前の歴史に学ぶことも考えてみて下さい。
何よりも三十歳以下の子供を持つ人は、
自分の子供達を国外の戦地に送ることの是非を想像してみる必要があります。
何が言いたいかといえば、フジTV、日本TV、産経新聞、読売新聞に
代表される新保守主義傾向に誘導されて、
知らず知らずに向かう方向にとても危険なものを感じるのです。
劇場主義、ワンフレーズ主義のアジテーターに誘導されて向かう方向が
「戦争ができる国」であり、
「隣国とことさらに争う国」であり、
何よりも「弱者を切り捨てる国」に向かうことであり、
「筋違いの自己責任を言いつのる国」になることであるとすれば、
とても哀しく思うのです。
アジテーターとは、もちろんK首相のことです。
今はまだ、小泉総理(自民党総裁)と書けましょうが、近く書けなくなる
可能性があります。現に公安的には少しずつ危なくなっているようです。
そんな日本に歯止めをかけるか、かけないかが試される一票の行使です。
小泉型劇場政治、二世三世がのさばる自民党的ファナテイック政治、
何でも与党志向である公明党が支える政治に疑問を示す時期に、
あるのだろうと思います。
野中広務氏や亀井静香氏の主張に全面的に賛成するわけではない。
第一、野中氏と亀井氏は政治的思想信条に相当の開きがある。
だけど、彼らが政治家一世であるということだけは疑いがない。
さて、そんな茫猿の思いを代弁してくれているサイトがある。
かの堀田勝巳氏の裏サイトというか、彼にすればこちらが表サイトかもしれない。
更新の頻度も段違いだし、物言いの率直さもこちらが段違いである。
何よりも羨ましいのは、氏のアルコール的日常である。
尊敬する堀田氏の肝臓について、その平穏を祈るのみである。
K氏の葡萄酒的日常
http://www.kanteishi.net/wine/index.html
堀田氏の、このサイト最新記事を引用します。
全文的引用は、マナー違反であることは承知しますが、
正しく理解していただくために、あえて引用します。
なお、氏は三日と間をおかずに新記事を掲載しています。
・・・・・・・・・・・ 引用開始 ・・・・・・・・・・・・
「人を洗脳するのは、簡単。」(K氏の葡萄酒的日常:8/25記事)
短く、インパクトのあるフレーズが繰り返されると、人は心地よく感じる。
そして次第に、そのフレーズが深層心理に刻み込まれ、疑う心が失われてゆく。
リフレインが気持ちいいばかりに、強制されているという意識も生じない。
そうやって、民衆は思想統制されてゆく。
楽しい例をあげれば、「あるある探検隊!あるある探検隊!」とか、
「ヒロシです。」とか。そのフレーズが聞こえただけで、表情がゆるむ。
あまり愉快でない例をあげれば、「今月もノルマ達成するぞ!エイエイオー」
という朝礼とか。
もっと愉快でない例をあげれば、「修行するぞ修行するぞ」とか。
いま、「郵政改革、郵政改革」という洗脳が進んでいる。
そのリフレインに酔わされている自覚のない人が増えている。実に浅はかである。
与党の郵政民営化法案の中身を検証し、それが本当の改革なのか、
立ち止まって考えよう。 賢い市民であるために。
・・・・・・・・・・・ 引用終了 ・・・・・・・・・・・・
今日的状況をワンフレーズ的に解釈すると、こうなる。
・郵政利権(自民党旧田中派)と大蔵利権「金融保険証券利権」(自民党旧福田派)
・つまり角福戦争の怨念を引きずる政争なのである。
・郵政民営化には問題のすり替えがある。
・郵貯と簡保の肥大化が財政投融資の無節操を生み出した。
・日本列島改造論の背景には郵貯簡保資金の肥大化がある。
・だから郵貯と簡保は民営化または限度額引き下げが必要。
・しかし郵便業務は水道、医療保険、年金と並ぶ社会のインフラである。
・特に過疎地や社会的弱者(老齢者・身障者)にとっては重要なインフラである。
・この政府系金融とライフラインの意図的混同が混乱の原因である。
・ただし、郵貯簡保の支えなしに郵便の安定的継続は望めない。
・もちろん、郵便をインフラと考えて公費支出を行う方法もある。
・郵貯簡保の買い支え以外に、日本国債の暴落阻止手段はない。
・十五年戦争開始時期の戦時国債を誰が買い支えたかを思い出そう。
・郵貯簡保は民営化しても行動の自由はなく、国債を支える続ける以外にない。
・二世三世以外の選択肢がPHP:松下政経塾というのも辛いものがある。
このような少数派の主張に耳を傾けよう。
佐高 信、金子 勝、辛淑玉(シンスゴ)、姜尚中(カンサンジュン)
野中広務、鈴木宗男、宮崎 学
全面的に彼らの主張に賛同する必要はない。是は是、否は否である。
ただ、彼らの主張に耳を傾ける必要が、今こそあると考える。
彼らの主張が、新聞やTVに取り上げられることが、
次第次第に少なくなっている今だからこそ。
思い直そう、積極的に支援しなくとも、ただ耳を傾けるだけでも、
それだけでも大きな支援になることを。
いつか、耳を傾けることさえも、できなくしない為に。
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