梅のはなし

梅雨に入って1週間が過ぎた。さすがに梅雨入りとも為れば雨の日も多いから畑は湿潤で、農作業もままならない。とはいっても、干天続きで成長が遅れていた作物にとっては恵みの梅雨である。 梅雨といえば字句どおり梅の季節である。この時季は花でなく実の季節である。 梅雨のあいまをぬって茅屋に育てている梅の収穫を行った。 まこと、ウメは花も実もある優れものなのである。

昨年は思い切って刈り込んだ後だから、花も実もない梅だったが、今年は剪定の腕も上達したと見えて結構な収穫量である。 あまりに多くて手に余るから、息子夫婦などへ送ったほどである。 つくづく鄙の鑑定士には(公示標準地)選定技術も(果樹の)剪定技術も必需品なのだと、独り自賛しているところである。

さて収穫した梅であるが、梅干しは亡母が遺してくれた何年かの梅干し(古漬け梅干し)が、死ぬまで食せそうなほどあるから、必要ないし、だいいち特別な好物でもない。鯖や鰯の梅煮を作る時に使うくらいである。 そこでカリカリ塩梅と梅の味噌漬けに挑戦したというわけである。

先ずは、カリカリ塩梅(アンバイではなく、塩ウメ)であるが、一週間ほど前に完熟前の梅を収穫して漬け込んだのである。 収穫した梅をざっと洗い、へそのヘタを取り除き、塩をまぶして漬け込んだだけである。 漬け込む時に若干のコツが二つあって、一つは、卵の殻である。 卵の殻を数個、薄皮を除きガーゼなどの袋に入れてから粉砕して、一緒に漬け込むのである。

この卵殻のカルシュウム成分が梅の実の軟化を防ぎ、梅の仕上がりをカリカリにしてくれるというのである。 やってみたら、サイト記事のとおりであり、カリカリ感のある塩梅が出来上がった。
もう一つのコツは焼酎である。 サイト記事は卵殻のみ記述していたが、出来上がりの清涼感を増すには少量の焼酎が有効だろうと考えて、漬け込んだ上から若干(湯飲み一杯程度)の焼酎を振りかけたのである。 これが大正解であり、納得できるカリカリ塩梅が出来上がったのである。

この塩梅はそのまま食しても好いが、茫猿は野菜の浅漬けに使っている。 塩梅をザクッと刻み、梅酢と一緒に、胡瓜、大根、人参、茄子などと一緒に鷹の爪も加えて漬け込むと、風味豊かな和風ピクルスが出来上がる。  この夏、食卓の楽しみが増すのである。 カリカリ梅は煮物のアクセントに使用しても結構なものである。

次は、梅の味噌漬けである。 カリカリ塩梅の収穫より1週間あと、色付きも見られるほどに熟してきた梅を、洗い整え味噌で漬け込む、ただそれだけである。 味噌は砂糖と日本酒で味を調えたものを使うのである。 煮きり酒を使うのは、味を調えるのと砂糖と味噌を馴染ませ易くするためである。 この味噌漬けは先ほど漬け込んだばかりだから、出来上がりの味はまだ判らない。

判らないが十分満足できるものが完成するであろうと予想している。 この味噌漬けは、梅も味噌も食するものであるが、味噌を出汁で薄めてソウメンつゆにしたら、絶品だろうと思っている。 もちろん、キュウリにつけたりナメ味噌にしても好かろう。 最近の草深包丁は、仕上がりを待たずに、完成後の姿や味が予見できるようになっている。 鄙の鑑定士は予測の原則も検討するが、草深包丁としても予測能力を働かせるのである。 写真右がカリカリ塩ウメ、左がウメ味噌漬。

梅漬け二種であるが、カリカリ塩梅には未熟で固い青梅を用いるのが急所であり、梅味噌には完熟した梅を用いるのが勘所である。 カリカリ塩梅の塩の量が多すぎて塩辛い場合は、大根や胡瓜と漬けて塩が抜かれてから食すればよい。味噌漬けの砂糖の量は嘗めてみて自分の好みで調えれば好いことである。

このように梅を調理して保存食品を作ったが、まだ青梅が残っているから梅ジャムにも挑戦した。青梅を丸ごと水煮してから種を取り除き、砂糖を加えて弱火で煮詰めただけのことである。青梅を使用したから少し苦味が残ったが、十分おとなの味のジャムが出来上がった。 来年は青梅を全て収穫せずに、十日ほど木に残して完熟梅にしてから収穫すれば、もっと旨い梅ジャムが出来ることであろう。

もう一つ、夏になると重宝する自家製シャーベットの話である。 市販のシャーベットは高いし甘過ぎるから、自家製作している。
1.材料:バナナ、リンゴ、ヨーグルト、牛乳、グラニュー糖、好みでフルーツ缶詰、生クリームなど適当。
2.手順:バナナとリンゴ(見場を構わなければ皮付きのまま)を少しの牛乳を混ぜてミキサーで粉砕撹拌する。そこへ、残りの材料を混ぜて撹拌する。保冷パックに流し込んで冷凍する。 数時間後、ほぼ固まった段階で小口大にカットして、パックに戻し再冷凍する。 これだけの手順である。 果実の種類も糖分も、ヨーグルトと牛乳の割合も、自分の好み次第である。

まだ試していないが、干しぶどうなどの乾燥果実、ブランデーなどの混入も面白いだろうと考えている。

《閑話休題》 そういえば、明日は鑑定士協会連合会の新公益法人化後、初の定例総会開催日である。 地価公示事業レビューについて、何らかの言及があるだろうか、無いだろうな。 所管庁のマターには迂闊に言及しないと云うのが、執行部の金科玉条だもの。 解散お盆総選挙になれば雲散霧消するだろうことだもの。 でも事業報告案については、新理事さんたちの誰かが異議申し立てするだろうかな、それも期待薄だろうな。

 

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