鑑定評価の将来:2件

不動産鑑定評価の将来を楽観させるような資料が二件、手許に届いた。
一つは、びわ湖会議参加者のコメント・リポートである。
もう一つは、不動産リスクマネージメント2012である。

びわ湖会議参加者が寄せたコメント」
コメントリポートは全18頁、コメント総数93件である。 北海道から沖縄まで、全国各地からの参加申込者が「鑑定評価が直面する問題について、その解決策について、コメントを寄せている。 1行2行のメモ書き程度のコメントもあるが400字を越える長文コメントも多い。 全体として意識の高いコメントが多い。 短い期間にこれだけのコメントが集まること自体、問題意識の高まりとびわ湖会議に寄せる期待感を思わせる。 びわ湖会議の当日がとても楽しみである。

同時に、周到な準備を重ねておられる滋賀県不動産鑑定士協会の皆様に深甚の敬意を表すものである。 まだ会議が始まってもいないのに気が早いが、この会議の2013年版を企画する士協会が現れないかと期待している。 朝九時から夕刻五時までの会議ではあるが、一日の会議には自ずと限界もあるだろうから、主旨を引き継ぎ進んだこと進まなかったこと、いわば「Plan Do Check」のCheckである。 滋賀会が2013年会議も主催するのが相当であろうが、 多くの負担があるだろうから、何処かの士協会が滋賀会の企画を引き継いで継続開催を企画できないものかと考えるのである。

「不動産リスクマネージメント2012」
標題は手許に届いた冊子の表題である。 この冊子はティーマックスという不動産鑑定評価関連企業が発行しているものである。 不動産デューデリジェンスを主業務とするティーマックスは幾つかのインデックスやツールを公開しているのである。

なかでも、専門家の個別的判断に委ねざるを得ないのを常とする不動産キャップレート(Capitalization Rate)について、[CR-S」(Cap Rate System)という手法を提唱している。 「CR-S」は対象不動産の「比準キャップレート」をプログラムによって自動算出するシステムである。 全国に分散する32,000地点に不動産キャップレートを独自に敷設し、これらの個別キャップレートから属性の差異による補正を行って対象不動産の「比準キャップレート」を求めようとするものである。 収益還元法特にDCF法に付きまとう、「評価の恣意性」や「投資家の判断資料」という批判に応える意義ある試みであろう。(冊子より引用)

庭の片隅にクチナシの花が咲きました。

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