道路が崩落して救援の手が届かない避難者たち、度重なる余震で崩壊した家屋に戻って亡くなられた方などの報道に接するたびに、熊本震災の悲惨な状況に胸が痛む。同時にニュースでも少しずつ触れられるようになった九州中央構造線が気に懸かる。地震が九州中央構造線沿いに北東方向と南西方向に広がる様子が気になるのである。広がって行く先には、愛媛県佐田岬半島《伊方原発立地》と薩摩川内市《川内原発立地》が所在している。杞憂に過ぎてしまえばよいのだが。
NHKスペシャル・老後破産を見ている。九十歳を超え認知症を患う老親を介護し、非正規雇用にあえぐ団塊ジュニアを支え、自らは破産の危機におびえている前期高齢者世代の辛い現状を伝えている。団塊世代は豊かな階層と貧困に喘ぐ階層に二極分化しているのだというナレーションに胸が痛むのである。自らを顧みて、老親の介護といってもたかだか一年余で終わったことであり、ジュニアを支えたといっても今は自活の道を切り開いているのである。老妻とふたり清貧なれど穏やかな晴耕雨読の日々を過ごせている自分は幸せ者なのだと思い至っている。
我が鄙里は若葉の季節であるが、まだ桜も咲いている。山桜だと思っていたけれど花の色はピンクがかっているから里桜の一種なのかもしれない。左隣りの山桜はすっかりと葉桜に変じている。ほんとうに掉尾を飾る桜が若葉のなかに咲いている。此の桜は鄙里雑木林の端に位置しており、公道に出て中江川越しでなければ見られないので、まじまじと眺め写真に撮るのは初めてのことである。
そして、今年初めて咲いた御衣黄桜も、小さい花ながら次々と咲いている。来るべき春には、さらに佳き桜になるだろうと先々を楽しむ気持ちが生まれている。桜守りに生きる張り合いもあろうというものである。
ドウダンツツジも咲き始めた。ヒラドツツジやサツキも咲き始めている。ボタンやシャクヤクが咲くのも近いことであろう。
ひ弱なそうな見かけと違い、切り花にしても以外に長持ちし次々と蕾が開いてゆくシャガなのである。
《今回の熊本地震ではじめて知ったことであるが、九州は中央構造線を境にして北と南に今も少しずつ広がりつつあるというのである。そしてこの構造線上に阿蘇山や九重連山が位置している。》
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