伊吹は白く、鄙里は紅く

伊吹山が初冠雪し、鄙里の紅葉は見頃を迎えた。NHKでは、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されている首都直下地震のナビゲーションドラマが放映されている。

NHKサイトよりの引用」新しい令和の時代も様々な災害に襲われ大きな被害を受け続けている日本。こうした中、今後30年以内に70%という高い確率で発生することが懸念されている大災害が首都直下地震だ。想定M7.3、最大震度7。揺れによる全壊家屋最大約17万5千棟、焼失家屋41万2千棟、死者2万3千人、負傷者12万3千人、経済的被害95兆円…。

首都直下地震が起きたら一体何が起きるのか? その被害の全貌を、内閣府中央防災会議作成の被害想定に最新の研究成果を加えて紹介しつつ、1週間連続する集中編成で、どう首都直下地震を先取りして体感していただくのか、命を守るノウハウをどのように知っていただくのか、ナビゲートしていく。(引用終わり)

被害は物凄いことになるのであろう。想像を超えるものというよりも、全人類が未体験であり、三千万人とも四千万人とも云われる過大に集積の進んでしまったメガロポリス直下で起きるM7〜M8地震が、何を引き起こすのかは想像を超えるものがある。

密集木造家屋群の火災、湾岸の高層マンション群周辺地盤の液状化、無秩序に広がる過密都市エリアの防災、高齢化が進み外国人居住者が増えている下町界隈の避難、発災後一ヶ月以上も続くと予測される断水、消防も警察も公共交通も機能し得ないであろう発災後一ヶ月、破壊され機能が回復するまでの時間が予測できないロジスティック。

一つ一つでも解決策が見出せないのに、それらが複合して引き起こすであろう被災は何をもたらすのか想像もできない。建物や水道や都市ガスや下水、それに河川堤防や都市高速道や地下鉄網の耐震化などを言うよりも、メガロポリス東京の分散化を図った方が早いのではと考える。税制と都市計画を併用して東京の首都機能の地方分散を促せばよりベターでかつ現実的な打開策実現に思える。

発災すれば、首都圏域は自ずと分散せざるを得ないであろう。地方に縁者がある者は地方へ避難するであろうし、縁者がなくとも首都圏では避難者を収容する仮設住宅の建設すらままならないであろう。仮設住宅以前に飲料水も食料も配布がままならないであろう。関東大震災や東京大空襲の時の避難疎開状況を考えれば答えは見えてくる。機能分散といえば聞こえがいいが、ことは事前疎開であり事前避難なのである。それを計画的に行えばと云うのである。

皇居を移転し、最高裁を移転し、政府と国会を移転すれば良いのである。サテライトオフィスが現実のものとして取り沙汰される昨今であれば、一括一箇所移転でなく多地域分散移転で良かろうし、リニア新線も大いに役立とうと云うものである。

さて、表題の伊吹山初冠雪である。冠雪したのは12/05と思われるが、ずっと山が雲に覆われていた。ようやく今朝は晴れて、山頂を望めた。鄙里の雑木林は紅葉の見頃を迎えている。朝陽に映える紅葉である。もう一枚。さらに 角度を変えてもう一枚

ヒイラギの花が咲いた。見落としそうな小さい白い花だ。話を戻して、首都直下地震について歴史を振り返ってみれば、こんな過去が見える。
元禄の江戸地震、1703/12/31、
※南関東直下で発生したM8クラスの地震である。316年前
安政の江戸地震、1855/11/11、
※南関東直下で発生したM7クラスの地震である。164年前
大正の関東地震、1923/09/01、
※南関東直下で発生したM8クラスの地震である。96年前

元禄地震から安政地震までは152年が経過、安政地震から大正大震災までは68年が経過すするのみである。大正大震災からは既に96年が経過している。東京大空襲で首都が焼野原になってからでも既に74年が経過している。今後30年以内に70%の確率で発生すると云う予測が現実味を帯びて伝わってくる。

大陸プレートの境界に位置する火山列島日本であれば、日本のどこに居ても地震に遭遇する危険は避けようが無い。最近の発災を数えても、北海道胆振(2018年9月)、東北三陸(2011年3月)、神戸淡路(1995年1月)、鳥取西部(2000年10月)、熊本(2016年4月)など日本の全域で発災している。避けようが無い地震の被害を小さく食い止めるには、多極的な機能分散しか考えられない。短期的には経済合理性に欠けるように見えても、長期的には合理的な選択なのである。

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