父の日の夜回り猫

母の日に比べて父の日は不遇だと思う。父の成れの果てだからそう思うばかりではない。先ず季節が違う。母の日は陽春とも云える五月に巡ってくるのに、父の日は梅雨のさなかである。母の日が先で父の日は翌月の添え物である。家庭における父の存在そのものが、そういうものだと言ってしまえば身もふたもないけれど。

さて、父の日に寄せて深谷かおる氏の「夜回り猫」が秀逸である。深谷氏の八コマは常に秀逸、時にはよく理解できないこともあるけれど、常にほのぼのとさせてくれる。

先ずは深谷さんがネットに上げるイラストから。

猫は全部名前が付いているのだが、茫猿が分かるのは左から二匹目が「ジュウロウ」だけである。右から二匹目は確か「ワカル」だったか。右端は「ニイ」だった。

母の日のイラストはこちらだった。

父の日の八コマはこんなだった。
【第六二一話】 重郎の、父の日母の日(2020/06/19)

孤児猫のジュウロウには父猫も母猫もいない。エンドウは育ての親猫である。
そのエンドウに「ジュウロウには父も母もいないのか」と、ジュウロウは尋ねる。
エンドウは「父も母もいる」「居たから生まれたのだ」と答える。

続けて「しかし、いつまで一緒にいるかは、いろいろだ」
「感謝するかも いろいろだ それでいい」と言う。

「いつか幸せに思えたら、生んでくれて ありがとうと言えばいい」

この話もウルウルだ。
【第三十五話】 赤の他人(2017/03/08)
赤の他人と言う単語に、こんなに暖かい血を通わせられることを知らされた。

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