追伸、いい男の条件

 前号で「朝日の欺瞞、読売の傲岸、NHケーの慇懃無礼、インテリの
ひ弱さと狡猾さ」と書きました。読者諸兄姉は茫猿は偏向しているとお
読みになり不愉快な感情をお持ちになったと推量します。
 でも、よく考えてみてください。販売部数1千万部、それも拡販と宅
配に支えられて出来上がっている数字です。販売部数と広告料金は表裏
一体の関係にあり、部数と一行当たりの広告料金は連動しています。
何よりも肝心なのは、万人の支持を得ようとすれば、曖昧事無かれ主義
に陥らざるを得ないと云う陥穽の背反にあるのです。
 さらに広告出稿企業は大事なお得意先です。お得意先は新聞購読者で
はありません。広告出稿企業です。三菱自動車とトヨタとホンダと日産
の広告で紙面を埋め尽くしている媒体に社会の木鐸が期待できましょう
か。期待できると考えるあなたは無類のお人好しです。
 深夜TVに溢れる、消費者金融(不思議な表現です。ただの高利金貸
しではないですか)のコマーシャルに違和感は感じませんか。駅前の目
抜き通りに溢れる、お自動さんや無人くんに違和感は感じませんか。拝
金主義日本の象徴的光景だとは思いませんか。日榮を叩いたマスコミが
前日まで日榮のコマーシャルに支えられていた可笑しさを、どのように
お感じになったのでしょうか。
 記者クラブという日本独特のマスコミ村社会に守られて、記者発表資
料で記事を書いているジャーナリズムもどきに、ペンは剣より強しなど
とは言ってほしくないのです。最近、新聞各社でコピー記事が話題になっ
ています。雪印や三菱だけでなく、著作権に一番注意しなければならな
い新聞とても、自己責任で記事を書かずに他社のWeb記事をコピーし
て恥じない時代になっているのです。矜持を失った日本人はただの田舎
者です。
 電通も大広も各業界の複数社から広告出稿を取り次いでいます。三菱
もトヨタもホンダも日産もという具合です。一業種一社という、当然守
るべき不文律が無視されているのです。これは出稿する企業にも問題が
有ります。でも、企業の出稿態度もさることながら、広告取次店の営利
主義や大きければよいという姿勢に大きな問題があります。同じ穴の狢
と狸と云えばそれまでですが。
 複数のライバル企業の広告を代理して、或いは代理させて矛盾を感じ
ない日本企業の傲岸さが問われなければならないのです。
 茫猿は、それらの全てを包含して、「朝日の欺瞞、読売の傲岸、NH
ケーの慇懃無礼、インテリのひ弱さと狡猾さ」と書きました。
過激・偏向のご批判は甘受します。私が申し上げたいのは、17歳がお
かしいのではなく、そういった17歳を生み出した37歳や57歳や7
7歳がもっと怪しいのだと云うことです。
 疑うことをせず、丸飲み鵜呑みの不思議さに気付かず、自身の目と耳
と鼻で確かめると云うことをしなくなった、お人好し日本人の不思議さ
について書いているのです。ハーメルンの笛吹に誘われ、アジテーショ
ンに弱い我々の愚かさについて書いているのです。
ハーメルンのふえふきおとこ【―の笛吹き男】
(Rattenf nger von Hamelnドイツ)
ドイツ中世の伝説。1284年に、ある笛吹きがハーメルンの町から鼠を駆
逐したが、町の人が約束の謝礼をしなかったので、130人の子供を誘拐
したという。ブラウニングの詩も有名。(広辞苑より)

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