上に立たない優しさを

【只管打座・・止揚学園40周年・・02.10.15】
 昨日、02.10.14は、滋賀県能登川町にある止揚学園の設立40周年記念式典の日でした。止揚学園は重度の知能障害を持つ人たちの生活する学園です。
※止揚学園については、下記の Web Site をご覧下さい。
止揚学園公式サイト http://www.biwa.ne.jp/~ikuru/


 快晴とさわやかな秋風に恵まれた楽しい一日を過ごさせていただきました。
40周年記念式典といっても、おきまりのセレモニーに終始する集まりではなく、賛美歌に始まり(止揚学園リーダーの福井先生は同志社大学神学部のご出身です)、お祈りがあり、来賓のお話しがあり、学園や親の会や兄弟姉妹の会の皆さんの挨拶がありました。式典は祝祷で終わり、楽しい第二部へと続きます。
 止揚学園のクリスマス会などの呼び物は「止揚の仲間達全員による劇」です。今回の演し物は「うらしま太郎」でした。みんなが一生懸命に演じる劇は唄と踊りと笑いと感動の涙に溢れた贈り物です。
 第三部は昼食をはさんで(ビールまでがふるまわれたのには驚きました。)、福井先生の楽しいトークショーでしたが、止揚シスターズの歌声も明るくさわやかで、敷地に設営された大テントに集ったおよそ千名にもなろうかという人々が、学園の皆さまに大歓迎されて豊かな心にあふれたことであろうと思います。
 40年を迎えたとはいえ、止揚学園は安定したわけでも平坦な道になったわけでもなかろうと思います。それどころか、「社会福祉基礎構造改革」による「第三者評価」という制度や、「措置制度」から「契約制度」に移行しつつあることなど、成り行きによっては大きな問題を生み出しかねいことが沢山あります。 それは「画一的基準」や「見えるものに重きをおくこと」につながりかねないことであり、福井先生の言う「上に立たない優しさ」や「管理しないで共に暮らす仲間でありたい」というお考えとは異なるものです。
 でも、止揚学園には新しい世代が着実に成長しつつありますし、多くの支える人々の輪も広がっていることですから、新しい前進を歩んでゆかれることと思います。 また止揚学園は施設の老朽化・耐震化対策という問題も抱えています。『鄙からの発信』の読者の皆さまにも、お力添えを頂ければ、たいへん有り難いことです。
・お力添え-その1
 福井先生をはじめとする止揚学園の皆さまが発行している書籍お求め下さい。先生の著書をお読みいただければ、心温まる想いに包まれるでしょう。書籍は、直接、学園にお申し込みいただいてもよろしいが、[http://www.shiyo.org/] 「この道さかのぼれば」サイトのなかで、ギャラリー・ BOOKSより購入いただけます。福井達雨先生の著作をはじめとする止揚学園関連書籍が掲示してあり、絵本もあります。購入方法は宅配便代金引換でできます。またAmazon.co.jpアソシエイトプログラムにより、売上の一部がサイトを通じて止揚学園に寄付されます。
・お力添え-その2
 下記の口座に、ご寄付をお願いします。ご寄付には、後日お礼と領収書が届けられます。領収書は社会福祉法人への寄付証票としてご利用できます。
 郵便振込口座 01010-7-42202
 加入者名   社会福祉法人 止揚学園
 現金書留   〒521-1222
        滋賀県東近江市佐野885  止揚学園
『上に立たない 優しさを』(記念誌より引用します)
 滋賀県近江八幡市の郊外、田園の広がる北津田町に止揚学園が生まれて40年目を迎えました。この40年間を振り返りますと、神さまの恵みと多くの皆さまの温かいお祈りに支え、励まされた歴史でした。 その中で(神さまや皆さまの優しい愛につつまれた私達は幸せやったなあ。 そやから、これからも、喜びに満ちあふれた時も 苦しみ悲しみに打ちひしがれた時も、豊かさや明るさを失くさないで、活き活きと歩まんとあかん)としみじみ感じています。 ありがとうございました。
 先日、入園している仲間たちの排尿便を便所の中で支えている一人の保母さんが、「何人かの仲間たちは、何時オシッコやウンコをしたのかわからないので、ジットお尻を見ています。だから、いつも(ゴメンナサイ。恥ずかしい思いをさせて許してね)と謝りながら便所に入っています」と語ってくれました。
 私は、この話を聞きながら(これが止揚学園の心なんや、私達が 上に立って高慢な指導者、管理者になり、命令や指示を与えるのでなく、 上に立たない優しさをもって、謝り、謙虚になって、 知能の重い障害をもった仲間たちと共に生活しようと努力してきた その歩みこそ止揚学園の40年間やったんやなあ) と熱いものを感じていました。
 40年が過ぎ、再び新しい前進が始まります。(これからも「見えないものを」大切にし、「ためではなく共に」歩み、「上に立たない優しさと愛をもつ」止揚学園でありたい)と私たちは、深い祈りをもっています。
 今日まで、どんな時にも止揚学園に信頼をもち、祈り支えてくださった皆さまこれからも祈り励ましていただければ喜びです。 止揚学園は、神さまの愛の深さを感じ、皆さまのお力添えを感謝しつつ世界の総ての人たちに光があたることを求めて歩みます。 2002年10月14日 福井達雨   
・・・・・・蛇足ですが・・・・・・・・・
「見えないものを」と云うのは、聖書コリント人への第二の手紙、第4章16節
「わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。
 見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。」 です。

関連の記事


カテゴリー: 止揚学園の人々 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください