士協会NW:仮説X

 06/01/24:士協会NW構築企画の終焉と題する記事では意味が不明瞭であり、士協会ネットワークそのもの構築まで否定すると受け止めた読者もおられたようである。茫猿の真意は、鑑定協会が主導する「全国一括とか一斉という縛りばかりが多くて小廻りや融通の利かない画一・中央集権的ネットワークには多くの期待を懸けない方が無難である。 」という処にあり、各士協会が独自に自主的にネットワークを構築すること自体は今も提唱するのである。この件(クダリ)をもう少し説明してみよう。なお、予め申し上げておくが偏狭セクショナリズムなどという的外れの批判だけはなさらないで頂きたい。


【データ移管の仮説A】
[新スキーム中央管理サーバ]
新スキーム中央管理サーバ内の、移植可能資料データを(a)
  ↓  ↓  ↓
鑑定協会サーバ(士協会ネットワークサーバ)へ
全国データを一括移植する。(b)
[鑑定協会一括管理・士協会サーバ]
  ↓  ↓  ↓
各都道府県毎にデータを整理分割する。(c)
  ↓  ↓  ↓
各々の都道府県会員毎にサーバ接続を認め閲覧を許可する。(d)
  ↓  ↓  ↓
鑑定協会は閲覧料の徴収を代行し、a〜dに係わる諸経費を控除した残額を各都道府県会に士協会に配分する。
【データ移管の仮説B】
[新スキーム中央管理サーバ]
中央管理サーバ内の、移植可能データを(a)
  ↓  ↓  ↓
各都道府県毎にデータを整理分割する。(b)
  ↓  ↓  ↓
一括ホステイングされる士協会ネットワークサーバ)へ
各士協会データを移植する。(c)
[鑑定協会一括管理・士協会サーバ]
  ↓  ↓  ↓
各都道府県会員に所属会サーバへの接続を認め閲覧を許可する。(d)
  ↓  ↓  ↓
鑑定協会は閲覧料の徴収を代行し、a〜dに係わる諸経費を控除した残額を各都道府県会に士協会に配分する。
 仮説AにしてもBにしても、その内実は同じことであり、当面は各藤堂府県士協会の枠を越えた鑑定協会会員へのデータ資料開示は行わないと云う前提条件付きである。しかし一括ホステイングし一括管理を委ねる以上、時の鑑定協会の意向により全面開示は常に可能な状況におかれるし、共同利用という前提条件の共同の範囲は鑑定協会会員なのである。さらに閲覧料徴収を鑑定協会に委ねる以上は、その閲覧料金等に係わる裁量は狭められるであろうことも自明である。
 茫猿は偏狭的に資料の開示を否定するモノではない。常に述べるように「よく開示する者、よく報われる」と考える。しかし、自主性とか独立性が否認され、なし崩し的な全面開示への道を開くことは否定するのである。茫猿はこれらの理由から「仮説X」を提唱するのである。狭量との誹りは受けるであろうが、現場をなによりも重視し、業務の発生する場所(多くは都会)に存在する鑑定士と業務の現場に存在する鑑定士のより良い関係を構築するには性急で短絡的な資料開示は百害あって一利無しと考えるのである。
 このことは語るに堕ちるとも云えるのであるが、既に聞こえてくる都市圏会員の多くの声は、「士協会ネットワーク構築は取引情報の全面的デイスクローズにつながる」と期待するのである。後輩達のことを思えば、ネットワーク構築を推奨するあまりに、都市圏会員の多数決論理に道を大きく開いてしまう愚を茫猿は避けたいのである。
 データの開示は自己責任にて行いたいし、地方圏と都市圏のより良きパートナーシップの確立を望むものである。収奪とも見紛うデイスクローズは地方圏会員のモチベーション低下につながると危惧するのである。
【提唱する仮説X】
[新スキーム中央管理サーバ]
中央管理サーバ内の、移植可能データを(a)
  ↓  ↓  ↓
各都道府県毎にデータを整理分割する。(b)
ボリュームの大きいイメージデータ等の移植管理を円滑にする為には、中央にダウンロード用ミラーサーバの設置も求めたい。
  ↓  ↓  ↓
各都道府県士協会が独自に設置するネットワークサーバへ
各士協会の責任運用においてデータを移植する。(c)
[士協会自主管理独自サーバ]
  ↓  ↓  ↓
各士協会が自主管理の上で、データの利活用を行う(d)
  ↓  ↓  ↓
各士協会は所属会員以外へのデータ開示及び閲覧等利活用管理を自主的に行う。(所属会員以外にもアクセス権限を付与することである。)
他にもグループウエアや共有フォルダーの活用などにより、士協会内の様々な情報交換と共有について、その質と量を高め、その安全性と速度を向上させるものである。
 この仮説Xは先に述べた二項軸からなる楕円形イメージにもつながるものである。下記各項の実現にはXタイプのネットワーク構築が相応しいと考えるのである。
・都市圏と地方圏の共生である。
・都市圏と地方圏の各々の自主性である。。
・デジタルとアナログの融合であり、併存である。
・分散多極管理であり、集中一括管理である。
・取引情報作成者の視点と、利用者の視点。

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