にわかには信じ難い話

 にわかには信じがたい話であるが、長い目で見るとさもありなんという推論も多いのが、このサイトである。「田中宇の国際ニュース解説」である。
最近の記事はアメリカの自滅戦略という解説である。ネオコンが狙っているのはアメリカの自滅であるという話である。幻のイラク大量破壊兵器疑惑やイランの核兵器開発疑惑などの背景にはアメリカの自滅戦略があると云うのである。 【このサイトに掲載される田中宇氏の記事をどう判断するかは読者の勝手であるが、氏は1996年以降の過去LOGを公開しているから、判断材料としては数年前、十年前の記事を読まれるとよかろう。】


 「アメリカの自滅戦略」と云うのは比喩であり、正しくはアメリカの多極化戦略あるいはBRICs(ブリックス)振興作戦と云った方がよいのかもしれない。
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の勃興は、先進諸国の労働者や中産階級にとっては、低賃金労働力との競争が激しくなることであり、デフレ圧力にさらされることであり、直ちに歓迎できることではない。他にも環境問題の悪化や資源の枯渇化を招くものでもある。
 でもグローバル化の一途を辿っている多国籍企業並びに投資・投機ファンドに代表される無国籍資本にとっては市場の拡大であり消費者層の急激な増加であり、とても好ましいことである。同時にBRICs(ブリックス)各国の貧困層の中産階級化に寄与するものであり地球規模の支持を得やすいことでもある。
 アメリカの中枢に位置するネオコンはアメリカ国民(大多数を占める中産無産階級)の方に顔を向けているのではなく、投資・投機ファンドに代表される無国籍資本に顔を向けているというのである。その結果としてアメリカの中産階級は減少の一途をたどり、アメリカのジニ係数拡大速度は日本の比ではないという解説もある。
 信じるも信じないも鄙の茫猿にとってはどちらでもよい話である。だけれども、そんな見方もあるという視点は常に持っていたいものである。TVのニュースショーは論外としても、朝日、読売、毎日、日経、産経といったいわゆる旧来型ジャーナリズムの記者クラブ依存、平面的かつ愚民教導的な記事に惑わされてはならないと思う。「田中宇の解説」は、そういった折りに独自のユニークな視点を養うには結構なサイトなのである。 「日本を不幸にする中国の民主化」という記事などは一読して直ぐに腑に落ちるのではなかろうか。地政学的にもあるいは冷徹な国際政治の現場と云う視点からも見逃せないのである。
 ネットのなかには、もっと簡単に記事比較や視点比較ができるサイトがある。いずれも日本語サイトであるから語学の壁はないし、国際問題に関して、時には日本国内問題に関して海外のメデイアがどのように見ているのかを知り、視点の広さや確かさを養うにはとても有用なサイトである。(挙げているのは例示であり、他にも多くのサイトがある。国内的にも琉球新報・沖縄タイムズをはじめとする地方紙関連サイトや漢文的に読める台湾の現地サイトなども参考になる。)
 ※チャイナネット  http://www.china.com.cn/japanese/
 ※朝鮮日報  http://japanese.chosun.com/ 
 ※ロイター http://today.reuters.co.jp/news/newsJP.aspx
 例えば、竹島問題について朝鮮日報は「【記者手帳】日本は心の底で笑っている」という署名記事を載せている。同じ問題でも日本海の西側から見ればまた異なるのである。

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