長らく年賀状とか暑中見舞いという類の節季ご挨拶は致しておりませんでした。ふと思い立って残暑見舞いを差し上げようと考え、パソコンでちょこちょこと作成してみたたのです。盆休みの間に宛先を書こうと自宅に住所録と印刷住み葉書を持ち帰ったのですが、結局一枚も出さず仕舞いに終わりました。
理由は二つです。住所録やこの春に頂いた賀状を整理しながら宛先を書き始めたら、お出しする方とパスする方との区分けに何やら気疲れしてしまったこと。もう一つは、多分こちらが本当の理由でしょうが、印刷した文面が陳腐というか僻みっぽいというか、読み返して厭になってしまったのです。その残暑見舞いを記事に致します。
「残暑お見舞い申し上げます」
永らくご無沙汰を致しております内に、馬齢を重ねていつしか耳順も越えてしまいました。久しく節季のご挨拶などお伺い致してはございませんが、お変わり無くお健やかにお暮らしのことと存じ上げます。
年々歳々人同じからずとは申しますが、代わりようにも替わり無く、変わりたくとも変わる術に疎く、ひたすら己が加齢往く様を、せめても楽しみたいものと思いつつ日々うち過ごすこの頃でございます。
ところで、何やかやと由無しごとを日頃書き連ねております[鄙からの発信]というサイトをもう八年近く続けております。機会がございましたらお立ち寄りいただき「只管打座」、「止揚の人々」、「線路は何処まで」などを覗いてみて下さい。
軒端をゆく風や空を漂う雲に秋の気配は確かなものがございますものの、まだまだ暑熱盛んな折からご自愛にてお過ごし下さるよう願いまして、久方ぶりの時候ご挨拶と致します。
2006年8月15日 森島信夫 拝
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