NSDI-PT & めしin東銀座 & 会長談話

 080912、前日はNSDI-PTの打合会だった。プロトタイプ構築の企画見積書をシステムインテグレーターに公募依頼するについては、ある程度の仕様書を用意して提示する必要があるだろうと仕様書作りに取りかかったものである。その原案についてREA-INFOによる電子会議を経て、最終調整を行ったのが前日である。


 仕様書原案については、連休明け以降に開催が予定される協会役員会で承認が得られれば、次は企画見積書の公募が始まる予定である。詳しくは来週以降に詳細を開示できる見込みである。11月21日に予定される鑑定評価シンポジウムに併せて開催を企画している、GIS関連プレゼンも内容が少しずつ充実しつつある。 翌日(0912)は、GISに係わる業界の現状把握にと何社かを訪問して、少しでも状況を学習し認識を深めたいと都内を巡り歩いたのである。まずは虎ノ門三丁目でいつものエスプレッソ・ダブルとパンの朝食である。テラスを吹き抜ける風も心地よくなったし、空はブルー一色である。

 事務局で役員会上程案について最終校正を行った後、銀座に向かい鳩居堂に立ち寄る。現在は地点変更されているが、鳩居堂は長年にわたって最高路線価地点としてマスコミを賑わせてきた場所である。今も銀座4丁目交差点付近は地価日本最高エリアの一つである。

 鳩居堂はこの年齢になると懐かしいというか、興味深い商品が多い。筆も硯も香炉もなかなかに手が届かないなかで、北斎の富岳三十六景と広重の五十三次版画絵はがきを買い求める。写真は鳩居堂飾り窓の秋の設い(シツライ)である。

 銀座から晴海通りを歌舞伎座方面に向かい、歌舞伎座横の炭焼き干物定食の店・八十吉にてメニュウーで一番高い金目の昼定食をいただく。一番高いと云っても980円なのである。 場所柄も合わせ考えれば納得する値段とおいしさであった。

 八十吉のメニュー。

 金目の定食は炭火でさくっと焼かれていて、皮がとても旨い。干物魚のうまさは皮にありと云うけれど、この店では皮の焼き加減がとても良いのである。ガスレンジで冷凍干物を焼いてはこうはゆかないと実感できる。歌舞伎座横に旨い物ありである。 金目の旨さもさることながら、飯の旨さも言い及んでおくべきであろう。これで汁が赤だしみそ汁であれば、ミソラー・茫猿としては百点を付けるのだ。

 ところで、カビ毒や農薬汚染米問題で、太田農林水産相は12日の日本BS放送の番組収録で「人体に影響がないことは自信をもって申し上げられる。だからあんまりじたばた騒いでいない。ただ、これでいいというわけではない」と述べたという。
 ウナギの産地偽装などとは問題の本質が違うことを理解されていないようである。 食用米流通業者に工業用汚染米の流通を委ねた卸元・農水省責任、糊用工業米流通量と汚染米流通量の多寡比較検証などを行わなかった不作為、汚染米が福祉施設や医療施設に供給された社会弱者軽視、などなど日本の主食流通管理の杜撰さを放置した政府責任について、自覚も反省も無い無責任さは目を覆うばかりである。
 ことは食品偽装という次元の問題ではなく、詐欺であり(健康)傷害問題であり、国民の健康と安全に係わるのだという問題意識が欠如していることである。 同時に注意してトレース(追跡)していれば容易に判り得る問題を自覚すらしていないことであり、管理者責任が政府自民党にあるという認識の欠如は、他人事総理や茶番総裁選挙と同根にあるという理解すらできない軽佻浮薄さがとても哀しい。 
 何よりも、だまされて汚染米を買わされた焼酎醸造業者やアラレ業者が黙って泣き寝入りするとも思えないから、連休明け以降の推移には目が離せないのである。 一事が万事という云い方になりかねないけれど、リスク管理とか不作為責任という意味からは、金融庁&国交省注意処分問題に直面する鑑定協会にとっても対岸の火事ではないのである。 

 鑑定協会はこの問題に関して09/08付け会長談話を、協会サイトに公表している。談話の過半は会員向けの注意喚起や「鑑定評価基準並びに留意事項」の遵守要請であり、インターネットサイトに公表する談話の性格、つまり社会への発信という観点からすれば、物足らないのである。
 社会向けの発信という観点からは、『この中には、「不動産鑑定評価基準各論第3章(以下、「各論第3章」という。)」が公表されたときの研修会やその後の証券化実務者養成研修でも繰り返して説明し、注意喚起した事項も含まれています。「証券化鑑定評価実施状況調査」においても、今後は、今回のケースを反映させたものに調査内容を充実させて実施し、当協会としても、遺漏なく、フォローアップを行うことにしております。』のくだりが相当するのであろうが、「フォローアップ」という表現には今後の鑑定協会の行動について具体性が認められないのである。
 また、このような不祥事を所属会員が引き起こしたことについて、「高い倫理性の保持昂揚を自らに課し、社会に宣明する専門職業家団体」の組織責任の在り方や具体的な再発防止策について、社会に何を表明したいかが伝わってこないのである。 社会に対してというよりは世界に対して自らの意思表明の場である「インターネット・公式サイト」の有している意味も位置付けも理解できていないのではと思わざるを得ないのである。 もっと具体的に云えば、プロスペクト・レジデンシャル・アドバイザーズ株式会社に関連する証券を購入した市民に対して、鑑定協会は今何を申し上げたいのかという視点が大事なのだと言えるし、それはREIT市場の一翼を担っているという自覚が問われていると考えるのである。
 国交省:土地・水資源局長は鑑定協会への通達のなかで、「不動産鑑定評価制度に対する国民の信頼を大きく損ないかねないものである。」と言い切っていることの重みを過不足無く自覚することが大切なのである。  鑑定協会・会員の一人として、不動産鑑定士の一人として言い得るのは、ピンチを転じてチャンスに変えるような、大胆な発想転換を協会執行部に求めるのである。 それはマイナス情報こその開示であり、より積極的な透明性の確保なのだと、執行部並びに理事役員諸氏に申し上げたいのである。 ICT化時代における情報管理やリスク管理のあり方こそが、今まさに問われているのだと申し上げるのである。 会長談話は、【調査内容を充実させて実施し、当協会としても、遺漏なく、フォローアップを行うことにしております。】 というが、それは当然のことなのであり、問題はそのフォローアップ(追跡調査)結果を広く社会に情報開示してゆく姿勢の有無が問われているという認識こそが大切だと申し上げるのである。
※因みに、注意処分(行政指導)に係わる当事者は、このような声明をサイトに掲示している。

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