世論調査というモノ

 きっこのブログが「世田谷通信」発として伝えている記事に、(社)日本民間放送連盟2009年5月26日公表の世論調査結果がある。 詳しくはきっこのブログ記事をお読み頂きたいが、要するに【2009年05月26日 (報道発表)「ラジオ・オピニオン2009」<2016年東京オリンピック招致に関するラジオリスナーアンケート>】なるものは、誤りでも隠しでもないが、恣意的発表と言えるものなのである。
 トップ公表値は、「ラジオリスナーは、2016年東京オリンピック招致に「賛成」46.8%、「反対」48.2%、「賛成」と「反対」がほぼ拮抗する結果に」なりましたというのである。 しかし調査回答者は、ラジオリスナー数6,096名のみではなく、リスナー以外も含めると調査全参加者数は9,513名である。


 この9,513名全数の調査結果は、反対と、どちらかといえば反対を合計すると5,738名:60%強になるのである。 調査を公表するサイトはこの数値を隠してはいないが、Webサイトには表示せずに、小さくリンクするPDFに表示している。 しかもそのPDFファイル5/10頁以下に記載しており、PDFファイルトップ頁から4頁までは東京五輪誘致賛成論に肩入れする内容となっている。 調査結果というものの扱い方で結論が変わってくるよい例である。 世論調査の全てがそうだとは言わないが、調査全数値という母集団を意図的に操作集計すれば、自ずと異なる結果が得られようというものである。 何よりも世論調査というものは「設問の設定如何」や「調査時期・時間」で回答が微妙に、時に大きく変わってくるモノであることに留意していたい。
【追記 09.06.07 17:05】
 昨年末から持ち越しのヒト仕事を今し方終えて、クライアント宛に発送したところです。 そこで気持ちにも若干余裕ができたことから、出欠を迷っていた鑑定協会定例総会に出席することとしました。 昨年は地理空間情報活用促進基本法について質問させて頂いた結果、NSDI-PTプロトタイプ版構築という結実を得ました。 今年度は事業計画案によれば同運用版モデル並びに情報開示モデルの構築がうたわれています。 その審議も見届けたいし、若干の質問もございますこと、さらには総会後の懇親会にてなにがしかのプロモートができればと考えてのことです。 総会質問は、近く『鄙からの発信』に開示するつもりです。
 ところでこの記事の主題ですが、世論調査に限らず調査というモノは調査主体がなにがしかの誘導を行うことが可能だと考えられています。 質問事項の設定、質問の内容、例えば質問事項について肯定的に尋ねるか、否定的に尋ねるかによって、回答は随分と変わるであろうとは容易に推量できます。 さらにランダム抽出とはいえ、電話する時間帯や平日か祝祭日かによっても変わるでしょう。 ましてや、回答母集団の属性によって集計を変えれば何をかいわんやということになります。 抽出調査の妥当性は統計学的に認められていても、調査主体の意向がなにがしかでも反映されれば、それは正統な調査とは云えないでしょう。
 鑑定協会が受託実施する取引価格動向調査(悉皆調査・新スキーム)も、回答者の属性などを適切に分析する必要があり、その分析結果を調査結果の利用に際して斟酌する必要があるのではと考えるモノです。

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