新会員急増

 茫猿の地元岐阜県士協会に新会員が急増している。  先日も新規開業の方が挨拶にお見えになった。 実数からいえば二ヶ月間で僅か三名であるから、急増とはいささか過剰な表現であるが、年間に一人も増えてこなかった最近十年間の会員増事情からすれば、この二ヶ月間で三名の増加はやはり急増である。
 全員の事情を詳しくは存じ上げないが、どなたも東京会からの転入であり、H22地価公示から公示評価員にも新規参加されるようである。 緑寿の茫猿からすれば若手会員の増加は好ましいことである。 徐々に逼迫の度を加えつつある士協会財政にも少なからず寄与されるであろうし、なによりも東京という都会からの新風を吹き込んで頂けると思えるから期待も大きいのである。


 別に地元会が停滞しているなどと云うつもりは露ほどもないが、やはり新しい方が増えればより活気が生まれるだろうし、新しい知識も披瀝して頂けるであろうから総じて好ましいことである。 噂に聞けば新会員の方々は、デューデリジェンスとか証券化業務といった近年話題の業務に精通されている方が多いと伺っている。 茫猿みたいに田圃の畦道や、山間のケモノ道を歩くことが、長らく業務の多くであった鄙鑑としては、興味も関心も高いのである。 第一あの大都会では、どんな風に業務をこなしているのであろうかと、永年疑問に思っていたこともお聞かせ頂けるかと思えば、興味津々なのである。 いつだって、東京へ向かう時には、新横浜から品川と都会の街並みを車窓から眺めながら、此処ではどうやって業務を遂行してゆくのであろうかと考えさせられるのである。
 地方といっても様々であろうが、少なくとも茫猿にとっては業務経験を重ねてゆく毎に、過去の業務箇所がしだいにつながってゆき、業務地点が年ごとに面となってきたのである。 つまり新規の業務箇所といえども既往の業務面(エリア)のなかでの新規箇所なのであり、周辺のA箇所、B箇所といった過去の調査地点がつながって網を構成し、新規C箇所の網のなかでの相対的位置といったモノが浮かび上がってくるのである。 メガポリス東京では、そういった感覚みたいなモノをどうやって築き上げてゆくのであろうかというのが永年の疑問なのである。
 さて、そんな世迷い言はともかくとして、東京以上に地方も鑑定評価冬の時代である。 官公需が縮減し、いわゆる公的評価も削減が強化されつつある。 民需に至っては都会と比較すればもともと脆弱である。 だから縮むパイを増えるメンバーで分け合うというお決まりの状況が出現しているのであるが、そのことは都会も地方も同様であろうから、彼等も先刻承知のことであろうと思われる。
 だからこそ、新しい会員の力を加えることにより、鑑定評価の地平線を切り開いていただきたいと願うのである。 新会員には早速いずれかの委員会に所属し、士協会活動に参加して頂くと同時に、良くも悪くも岐阜の風に慣れて頂きたいと願うのである。 しばらく休んでいる塾『鄙からの発信』もいずれ再開して、新会員の懇親の場にも、都会の風をきく席にもしたいと考えているところです。 テーマは「鄙に吹き込む街の風」とでもしましょうか。

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