島唄と今帰仁城趾

畏友達のゴルフツアーに便乗して、初夏の匂い漂う沖縄に参りました。 那覇第一日は九州・沖縄の中堅若手の鑑定士と、業界が直面している様々な課題について意見交換をし、その夜は島唄酒場で泡盛とオリオンビールの応酬をしました。 意見交換のあれやこれやはいずれかの日に記事にするとして、第一夜の会食後に訪れたのは島唄酒場:樹里です。


樹里を訪れたのは二年半ぶりのことです。 母親は相変わらずの天然惚けぶりでしたが、二年半は娘を女に変えていました。以前ほどのお茶目ぶりは影を潜め唄は深みを増していました。口の悪さだけは前のままでしたけれど。 飲み喰らいそして踊り(カチャーシー)、汗ばむ沖縄の夜を楽しんだのは私だけでなく、席を共にしたヤマトンチュもシマンチュもご満悦でした。

その夜の顛末は定かでないので、後ほど最後まで同行頂いた琉球朋友に確認したところ、「私も確かには憶えていないが、全部で4軒は廻ったと思います。家へ帰ったら二時過ぎでした。」とのことでした。 そして翌朝、前夜の酒がまだ頭のなかで渦を巻いていて、茫猿には珍しく起きたのは十時前、朝食も摂らずにモノレール牧志駅から旭橋駅に向かい、那覇バスターミナル前で朝昼兼用の食事が沖縄ソバです。
客待ちのタクシーに尋ねますと那覇から今帰仁までは弐万数千円とのこと、とても1人で払える金額ではありませんから、名護まで高速バスに1時間余乗り(2,040円)、名護から今帰仁までは路線バスの旅です。 合計約2時間半のバス旅を終えて今帰仁グスク入り口に降り立ったのです。

ところが、この今帰仁城趾(ナキジングスク)入り口バス停から世界遺産今帰仁グスクまでは約1kmの登り坂道です。 前夜は二時近くまで飲んでいた身体をグスクまで喘ぎながら押し上げたのです。タクシーもなく、自販機で求めたサンピン茶だけが頼りの山道なのです。

道険しければ山は美しと申しますが、想像以上の今帰仁グスクでした。先ずは平郎門、本土なら大手門です。

志慶真門から主郭城壁を見上げます。熊本城をはじめとして本土の城壁もそれぞれに見事ですが、石灰岩で築かれたグスクの城壁は優美な曲線と地形を生かした堅固さを見せます。

主郭からヤンバルにつづく深い森を眺めます。

御内原から今帰仁の海を眺めます。吹き抜けてゆく風がとても爽やかです。

グスク入り口には猫が門番よろしく佇んでいました。さしずめグスク・キャット。

岩に根を張る南の樹木。

琉球寒緋桜は葉桜でした。絵は平郎門から登城石段を見下ろしています。

それでも、僅かに咲き残って、茫猿を待ち受けていた寒緋桜

グスクを出てバス停までの下り坂帰り道の路傍にて、花に遊ぶ蝶を見つけました。 
城内の行路を合わせれば往復およそ4kmの山道に疲れ果てた茫猿は、往路と同じく路線バス、高速バスを乗り継いで那覇に戻り、ゴルフ組と合流したのは七時前でした。名護のバスセンターで時間待ちのあいだに沖縄ソバを頂きましたから、この日は夜七時までソバ二杯とサンピン茶だけで過ごしたのです。 その夜の顛末は次号記事に続きます。

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