新型コロナ感染症に関わる問題点が漸くにして見えてきた。異聞と題するが真相と云う方が近いのだろう。
異聞その1
疫学は門外漢だが、統計ならば少しは判る。感染の蔓延状況を知るには、全数検査(外来患者全数検査)或いは確かなサンプリング検査が重要なのに、未だに実施されていない不思議さ。
《重症者は検査するが、軽症者は野放しの愚かさである。どうして外来患者全数の感染検査を実施しないのか不思議である。外来全数検査を実施すれば、院内感染は防げるだろうし、蔓延地区の特定も可能だろうと思えるに、負担を口実に実施しない。政府も検査体制については無作為だった。》
異聞その2
PCR検査数を制限した専門家会議や厚労省の背景に、不作為に逃げ込む無責任とか、個別(組織)利害重視が存在している愚かさ。首相官邸と東京都が2020五輪を重視し、感染症リスクを軽視して、医療・検査体制充実を放置した愚かさ。
《検査体制の充実と、蔓延地区への人員および医療機器の医療資源投入が不可欠なのに、不作為に終始した》
異聞その3
さらに新型コロナ感染症は呼吸器感染(人から人)だけでなく消化管感染が存在しており、人から物(食器・食品・その他)を介して人に感染するリスクが大きいことが報道されない不思議さ。三密(密閉空間、密集、密接)を避けるだけでは感染は防げず、潜伏感染者の生活空間を避けることが重要となる。
※異聞のネタ元
『新型コロナ重大局面 東京はニューヨークになるか』
児玉龍彦(東大先端研がん代謝プロジェクトリーダー)
高成田享、金子勝
『コロナの客観的情報を求める』
川北英隆
《異聞追記》このニュース、あまりの馬鹿馬鹿しさ愚かさに耳を疑った。
安倍総理は1日、再利用が可能な布マスクを全世帯に配布すると表明した。再来週以降、1住所当たり2枚ずつ、東京都など感染者の多い都道府県から順次届ける。日本郵便が持つ全ての住所に配布するシステムを活用する。政府関係者は感染が拡大している東京都から配布し、今月中に都内での配布を終えたいとしている。
マスク増産を推進する政策こそが重要なのに、郵政システムを使い全戸にわずか二枚のマスクを配布するなど、全戸配布は非効率不公平である。都内配布を終えるのが今月中なれば、全国配布を終えるのはいつなのか、かかる経費は幾らなのか。何より、単身世帯や老夫婦世帯に二枚配布はともかく、夫婦二人子供二人の標準世帯や三世代同居世帯は二枚のマスクをどう利用せよというのか。
麗々しく発表する”総理”が”総理たらずとも”、せめて愚策愚申した愚か者の顔が見たい。
愚かさ、その2は星野源がインスタに上げた”うちで踊ろう”に安倍総理が悪乗りした「気持ちの悪い」一件。星野源の楽曲に乗せて、総理が犬と戯れ、コーヒーを飲む。なんだこりゃ。
「安倍総理の星野源さんコラボは何が問題だったのか / 音楽家からの視点と分析」
新型コロナ感染症騒動で生じた安倍総理とその周辺の愚かさは、安倍マスク騒動に続く愚かさだった。もう一つ露呈したのは、新型コロナ感染症対策の基本が自宅で活動自粛やテレワークの要請であったが、自宅に引きこもりネット通販を利用しテレワークを実施できるのは富裕層や給与所得が安定保証されている準富裕層なのだということ。貧困層は通販商品の仕分け配送に従事し、コンビニやスーパーのパート勤務に従事せざるを得ない境遇にあるということ。零細小売商店や居酒屋や飲食店勤務者も同じこと。
ダイアモンド・プリンセスの顛末 2020年2月21日
新型肺炎ヴィールスの波紋? 2020年2月28日
《2020.04.15 追記》この時節、時節がら政府や総理への批判や批難はしばらく避けて(遠慮して)、一致団結して国難に対処しようという論説・主張が目立つ。災難時だから批判を避けようというのである。これが政府自民党筋から出てくることが多いが笑止千万である。東北大震災の時に、特に原発災害処理を巡って時の民主党政府を盛大に論難したのは野党自民党だった。もっとも声高だったのは安倍晋三一派ではなかったか。
災難時だから批判を避けようと言うのは、一見して正論に見えるが、その実ただの批判封じに過ぎない。大いに論ずべきである。ただし優先順位を間違えてはいけない。コロナヴィールス対処が優先されるということは、先ずは人命優先である。蔓延防止策について論ずべきは論ずべしである。病人の枕元で罵り合うのは良くない、節度と場所柄をわきまえて論ずべしである。先ずは他者の意見を聴くべしでもあろう。
《2020.04.16 追記》医療崩壊の前に政治崩壊が到来した。気分はグダグダ。
(1)「どこかへ行こう」昭恵夫人が安倍首相“コロナ警戒発言”翌日に大分旅行
(2)緊急事態宣言の最中、立憲・高井崇志議員が歌舞伎町“風俗店通い”
(3)雨がっぱ買い取り方針 新型コロナの医療現場で防護服不足 維新大阪
これらの関係者、昭恵夫人、高井議員、松井大阪市長 各氏に欠けているのは、想像力だろう。自らの行動や発言がどのような影響を及ぼすか、どのような反響を呼ぶか、一旦立ち止まって想像することができない貧しさが嘆かわしい。見えているのは、目の前の自分だけである。
緊急事態宣言を公布して安倍総理が記者会見をするけれど、プロンプター頼り、時間制限有り、内閣記者会幹事社代表質問などなど、予定調和の茶番劇に見えてならない。総理の冒頭発言も答弁も、言葉が上滑りするばかりで何やら空疎である。考えるまでもなく、総理の顔と「桜を見る会」、「加計学園」、「森友学園」などなどが重なるのである。「信無き」政府の戯言を”この際だから”聞きましょうとか信じましょうとはならないのが道理である。「フリーで3時間くらいの記者会見」を実行する勇気など求めるこちらが無理難題か。
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