船頭さん

畑で鍬を振るっていたら、こんな童謡の歌詞が口に浮かんだ。

村の渡しの船頭さんは 今年八十のお爺さん
年を取つてもお舟を漕ぐときは
元気いっぱい艪がしなる
それ ぎっちら ぎっちら ぎっちらこ

畑から上がってネットで確認したら、”今年八十”ではなく、正しい元歌は”今年六十のお爺さん”だった。もともとは、1941年7月に発表された戦時歌謡である。戦後に改作されて童謡として愛唱された。茫猿も小学校の頃におぼえた歌詞であるが、いつの間にやら茫猿の記憶する爺さんは二十年高齢化していたということである。

満76歳数え77歳になり80も近いことだと思いながら、替え歌を歌いつつ備中鍬を振るっていたのである。「桜の里の花守りさんは 今年七十七のお爺さん 年を取つても畑を耕すときは 元気いっぱい鍬振るう ソレ ヤッコラ ヤッコラ ヤッコラヤ」

とんだ勘違いである。もと歌では60歳でお爺さん、77歳なんて勘定の外、もう舟も漕げず鍬も振るえない。80年も前の歌だから仕方ないけれど、爺さんの定義もいつの間にやら変わってしまったのだ。

《厚労省の平均余命推移表に拠れば、1947年の男性の平均余命は50歳である。平均余命50年の頃の60歳を、平均余命80年の今に直せば90歳になるだろう。》

さて、鄙桜は葉桜に変わったけれど、御衣黄桜、枝垂桜、八重桜が咲き始めている。
….         

今一番華やかなのは、ミツバツツジである。

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