鑑定とReview

【茫猿遠吠・・鑑定とReview ・・03.05.20】
 先号「りそなBKと監査法人の姿勢転換・03.05.18」記事に、鑑定評価の独立性・中立性・自主性と同時に的確性をも担保するために、「事務所を異にする不動産鑑定士の連署」を評価引き受け条件としたら如何であろうかと提案しましたところ、次のような E.mail を頂きました。


(関東在住のT.T氏投稿です。)
 鄙からの発信で、不動産鑑定書の審査について互いの「連署」を茫猿氏は提案されています。 鑑定書のレベルアップと信頼性の確保と思われますが、アメリカの鑑定評価では、鑑定書の「レビュー」という鑑定士の仕事が別途制度としてあります。
 ある鑑定書を別の不動産鑑定士に報酬を払って、適正かどうか見てもらう制度です。レビューを専門にしている不動産鑑定の会社もあると聞いております。
 日本に上陸している外資の会社は、依頼した不動産鑑定書について、このアメリカのレビュー制度を既に取り入れて、依頼した日本の不動産鑑定書を信頼して良いかどうか、別の不動産鑑定士にレビューさせていると聞いております。
(投稿引用終了)
 レビューについて、広辞苑をひもときますと、次の通りです。
鑑定評価との関連でのレビューは英語であり、宝塚のレビューは仏語のようです。
レビュー【review】英語 (広辞苑より)
・批評。評論。書評。「ブック‐―」
・評論雑誌。
レビュー【revue】仏語 (広辞苑より)
踊りと歌とを中心にコントを組み合せ、多彩な演出と豪華な装置とを伴う
ショー。もとパリで、毎年12月に1年間の出来事を急激に場面を転換させなが
ら諷刺的に演じた一種の喜劇。第一次大戦後各国に流行。
 さっそくに、Web Site を検索しましたら、以下の記事を見つけました。
不動産鑑定評価のレビュー制度は、大いに検討したいというより、是非とも取り組みたい課題だと思います。不動産鑑定評価の格付けということにつながるのかもしれません。同時に相互検証・保証をグループ化するという方向も考えられるでしょう。
 茫猿はAREC・(Assets Research & Evaluate Committee in Gifu) という休眠状態の組織に関与しておりますから、手始めにそこから始めようかなと考えつつあります。近々、鑑定協会の新執行部も発足するでしょうし、この件を優先課題の一つとして取り上げてもらえませんかね。 E.Mailアドレス公開を約束された候補者は皆さん当選されたことだし、この記事を役員諸兄に配信しようかなとも考えています。

※以下Web Site 記事抜粋
※「保険Web(山野井良民・保険評論家、保険アナリスト)」より
・損保各社情報・三井住友海上
 http://www.hokenweb.co.jp/jouhou-so1mit2.htm
・AAJ、資産評価ビジネスを本格展開(02年12月25日)
 グループ会社インターリスク総研とアメリカン・アプレーザル・アソシエーツ・インクとの合弁会社である資産評価会社アメリカン・アプレーザル・ジャパン(株)(AAJ)は、(株)フェア・アプレーザーズ社(FA)と12月12日に業務提携契約書を締結。 03年4月を目処に"米国統一鑑定評価基準(USPAP)に準拠した不動産鑑定評価サービスを提供する。
 両社は、USPAPの高い倫理規定・品質管理、最先端の評価理論と、FAのネットワークを結び付けることで、新しい不動産鑑定ニーズに応えることができると判断し、業務提携に至ったもの。
 具体的には、FAメンバーの不動産鑑定士が行った不動産鑑定に対し、AAJがそのレビューを行うことで、厳格な品質管理を行う。また、AAJとFAが共同して統一基準による不動産鑑定を行うケースもある。不動産以外の案件について、FAはAAJへの紹介を行うことで、全国を網羅した総合資産評価サービスを提供できる体制が構築される。
<サービスの特長>
・中立・公正な鑑定:中立・独立性を重視した第3者鑑定を提供。
フィーは従来の不動産鑑定業界で使用されていた従価報酬でなく、鑑定評価、業務の量と時間・内容に応じたより合理的な価格体系とする。USPAPで特に重要視されているのが倫理規則であり、同基準を遵守する鑑定人は評価の中立性・公平性を維持することを強く求められる。
・適正な鑑定:
 日本の不動産鑑定基準に加え、USPAPにも準拠して、最新最高レベルの鑑定を提供。また、研修を定期的に行うとともに、厳正な審査に基づく品質管理を徹底することで、適正な鑑定評価を維持する。
・客観性の高い鑑定:
 適正な評価手法を優れたデータベースを駆使することで、客観性の高い鑑定評価を提供。
・全国ネットワークの提供:
 全国に広がる経験豊かな能力の高い不動産鑑定業者を活用して、全国規模の鑑定評価を提供することが可能。
・総合資産評価の提供:
 AAJのファシリティを活用することで、不動産に限らず、企業価値、機械設備、無形資産等のあらゆる資産の評価に対応する。
・グローバルな対応力:AAJは、AAAの世界17ヶ国52都市のファシリティを活用することができ、オーダー一つで世界に分散する資産についても同一の基準で評価することができる。

田原都市鑑定(株)Web Site ・鑑定コラム(不動産鑑定士・田原拓治氏)より
 http://www.tahara-kantei.com/index.html
68)賃料と改正鑑定基準
 不動産鑑定基準が改正される。平成15年1月から新しく改正された新基準が施行される。 不動産鑑定基準とは、不動産鑑定評価する時の拠り所とすべきものであり、価格を求める手法、その手順、報告書の必要的記載事項等が記述されている。 現行不動産鑑定基準は平成2年に改正された。
 バブル経済崩壊後の大幅な地価の下落、その後の不動産担保付不良債権の大量発生、不動産の投資フアンド化等に伴い、現行不動産鑑定基準は対応出来なくなってきた。そして同基準に対する批判も声高にされるようになってきた。
 13年ぶりの不動産鑑定基準の改正は、土地建物を一体として捉え、収益性に重点を置いて評価する方針を打ち出した。そして収益還元法にDCF法を導入することにした。物件調査、市場分析を拡充し、評価の過程の説明を分かり易く行うことが要求されることになった。
 土壌汚染も鑑定評価では考慮せよと言うことになった。土壌汚染の導入を取り入れるという大胆な考え方があったならば、不動産鑑定に「レビュー」という制度の導入を考えても良かったのでは無いかと思う。 (WEB記事引用終わり) 

・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
 茫猿鉄道の復興は着々と進んでいます。おかげで、遅寝早起の日が続き、寝不足たたって、地価調査作業は遅れ気味、お客様からはお小言を頂いています。でもね、ゴルファーだってプレイ日は早起きだと云うではありませんか、茫猿もここしばらくは頑張って、早く仮運行開始にこぎ着けたいものです。
 茫猿鉄道の写真を大幅に増やしました。お暇が無くとも見て下さい。
 鑑定士にとって、鉄道は色々な意味で興味ある分野だと思いますし、箱庭での同好の士はいないのかな。一通もE.mailがこない。 ~\(^_^)/~
『鄙からの発信』・只管打座・茫猿鉄道復興
http://www.morishima.com/cgi-bin/np_shikan/newspaper.cgi?action=view&code=1052909225

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