鱧(ハモ)松

【只管打座・・鱧(ハモ)松・・03.09.19】
 ようやくに秋めいてまいりました。とは申しても、昼中はまだ残暑厳しく、
今年は「暑さ寒さも彼岸まで」となるかどうか、少し疑わしい今日この頃です。
気候異変と平仄を合わせるかの様に、何かと気塞ぎなことの多いことから、
せめても Web Site の世界だけでも、味覚天国に遊んでみようと思います。
 テーマの「鱧(ハモ)松」とは、鱧(ハモ)と松茸のことです。
鱧という魚は、関西では夏場に大阪・京都を中心に賞味される魚です。
魚体はウナギの様に細長いのですが、顔つきはウナギよりどう猛な感じがしま
す。身は白身ですが小骨の多い魚です。
 小骨が多いので、ハモは皮一枚を残して、2~3mm厚さに骨切りをします。
この骨切りをしたハモをさっと湯がきますと、皮が丸まって身が花の様に開き
ます。これを牡丹ハモとかハモおとしとかいいます。
 大阪の天神祭、京都の祇園祭に欠かせない料理の一品です。
小骨の多い魚のくせになぜ、関西特に京都で賞味される様になったかは諸説あ
るようですが、勢いの強い魚であるし、骨切りを知ったら以外と旨い魚だから
というのが、真説に近いのでしょう。とにかく旨けりゃよい訳です。
 高いというイメージがあるハモですが、町中の市場などでは結構値打ちに販
売されており、それ程に特別な魚ではありません。湯引きしたハモを梅肉で食
すのもよろしいが、軽く焙って薄く焦げ目のついたハモタタキも乙なモノです。
 勿論のこと、関西では、まともな割烹店は客の注文を受けてから、ハモの骨
切りをし、湯引きして提供してくれます。その辺りの手間が、値段の高い所以
かもしれません。骨切り包丁で、サクサクと骨切りをする音は食欲をそそるも
のです。
http://www.kyoto-wel.com/mailmag/ms0307/cook.htm
 今日の話題は、この夏の風物詩でもあるハモと、秋の風物詩である松茸の話
です。ちょうど今頃、関西ではハモの季節が終わります。
これを名残りの鱧と呼びます。蒸し暑い京都の夏が終わり、涼しい秋風が来た
るのに、鱧だけは名残りの鱧と美称が呈される訳です。
 そして9月半ばに、丹波などでハシリの松茸が出ます。
この行く夏、名残の鱧と、来たりくる秋のハシリの松茸を合わせた料理が鱧松
(ハモマツ)なのです。昆布だしの鍋に、鱧をさっとくぐらせます。
 鱧は真っ白い牡丹になります。次に鱧の旨味がとけた出し汁に松茸を泳がせ
て頂く、この鱧と松茸のしゃぶしゃぶ鍋が鱧松鍋です。
付け汁にはこれまたハシリの酢橘(スダチ)をたっぷりと絞っていただきます。
 行く夏と来る秋がすれ違う、ほんの一時に味わえる絶品の鍋です。
鱧松鍋の最後につくる雑炊は、何物にも代え難い味がします。
 とまあ、書き連ねましたが、この秋も茫猿が鱧松にお目にかかれる可能性は
皆無に近いでしょう。輸入松茸と輸入鱧ならば、何とかなるかもしれませんが、
味は相当に差があるように思います。特に最近多いのが、海外で骨切りまでさ
れたHAMOです。これは脂が乗りすぎているし身も大振りすぎて、食べない
方がよいかもしれません。(照り焼きならなんとかなるかも)
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
 茫猿には、鱧松などという贅沢料理よりも、今秋特にお値打ちな秋刀魚を、
我が茅屋で枯れ枝を集めて野焼きにすれば、何物にも優る秋の風物詩です。
 都知事のテロ容認とも受け取れる発言、総理の相も変わらぬワンフレーズぶ
り、どうにも言論の府に集う言論を武器とする方々の言葉が貧しく、センセー
ショナルで、遣り切れない感じがします。 小泉氏はワーグナーに親しむ趣味
人であり、石原氏の出自は文学者であったはずなのですが。
 三重の塵芥発電所、栃木のタイヤ工場、愛知の鉄鋼工場と、あちこちに爆発
騒ぎが起きています。リストラの進行が熟練技術者を社外に放出し、設備更新
を先送りにして当座の利益のみを確保するという風潮を招いた結果だろうと考
えていましたら、同じような見解の解説が各紙に掲載されています。
三重の塵芥発電所は背景が少し違うようですが、受託企業の状況は似た様なも
のでしょう。安全も設備更新も技術力継承も何処かに追いやって、日本の物づ
くりは何処へ行くのでしょうか。
 投資インデックスについては、後二、三日で、その後の経緯をお知らせでき
ると思います。岐阜県士協会で一つの企画がまとまりつつあります。

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