術語解説

【茫猿遠吠:術語解説:05.02.13】
 取引事例新スキーム試行が助走を開始しつつある。
試行対象区域では近々に会員事務所のネットワーク接続環境についてのアンケート調査も行われると側聞する。そこで、一連の事業を理解する上で必要と思われる様々なネットワーク関連術語について解説を試みてみようと考える。
 当然のこと、これは鑑定協会の公式見解ではないし、茫猿はiNet専門家でもないから間違いや勘違いもあるだろうと割り引いてお読み頂きたい。
(一) 地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度の概要
1.法的根拠
(1)規制改革・民間開放推進3か年計画が平成16年3月19日閣議決定され、その中に「不動産取引価格情報の開示」が規定されてる。
(2)閣議決定の措置内容。
a.平成16年度に国土交通省は法務省と連携して取引価格の調査を行い
 国民に提供する仕組みを構築すること
b.平成17年度に(a)の仕組みに基づき、取引価格情報の提供・調査を行うこと
c.平成18年度に(b)の実績を通じて検証し、取引価格情報提供制度の法制化を目標に安定的な制度の結論を得ること
(3)国交省は閣議決定に基づき制度の実施に向け、検討を重ねている。
2.制度の概要
(1)基本スキーム
a.法務省からの異動情報に基づいて、国交省土地鑑定委は取引当事者に対し、取引価格照会調査を実施しる。
 なお、照会調査には鑑定協会名の調査依頼状が同封され、同依頼状には鑑定 協会の責任で一般鑑定にも用いられる旨が明記される。
b.地価公示鑑定評価員は、土地鑑定委員会が取得した取引価格を基に現地踏査等の上で事例地要因を調査して、土地鑑定委員会に報告する。
※(注):調査要因報告(本調査要因であり、公示事例要因とは異なる。)
 調査データは書面報告ではなく、オンラインデータ管理システムを通じて、データの入出力を行う。
※(注):データ管理システム
 鑑定協会に中央管理サーバをおき、試行区域担当鑑定士がWeb方式でアクセスする。鑑定士へのシステム配布は行わず、端末からSSL-VPN方式でサーバにアクセスし、ブラウザーにてデータファイルを操作する。
※(注):安全管理
 これら一連の作業への参加には、個人情報保護法が求めるところの安全管理措置、特にオンラインネットワークによるデータ転送や、会員端末パソコンにおいて技術的安全管理措置を施していることが必須条件となる。
c.国交省は、取引価格に関する情報を加工の上でWEB公表する。
(2)当初実施予定地区
 国交省は、法務省から入手できるデータの制約もあり、
 平成17年度は三大都市圏の一部地域にて実施の方向で検討中である。
※(注):予想される試行実施予定候補区域
 東京23区・さいたま市・川崎市・横浜市・名古屋市・大阪市、京都市。
 その他
※(注):予想される試行実施予定
 4月 ネット構築に関するアンケート調査の実施。
 5月 ネットワークテスト環境での検証の実施。
 6月 試行区域のネットワーク構築作業開始。
 8月 試行区域全体運用試験。照会開始。
 9月 事例調査業務の開始、調査データの入力開始。
(二) 以上の業務で要求されるパソコンの仕様や術語について
1.求められるパソコンの仕様
 望ましいパソコンの仕様は、下記程度であろうと予想される。
 CPU:2GHz 程度以上
 OS:ウインドウズXP
 メモリ:512MB 程度
 HDD:80GB 以上
 これ以下だと駄目という訳ではないが、iNetに接続しながら、地価公示作業を行うことが予想されるし、将来の拡張性などを考えれば、ウインドウズ98以下の装備であるパソコンは、この機会に更新した方が望ましいであろう。
何よりも、ADSLにしても光ファイバーにしても、通信速度を向上させる上で、パソコンの機能が限界となる場合が多いから、一定レベル以上の仕様が好ましいのである。
 要するに、この際にXPが楽々と稼働するパソコンが好ましいと云うこと。
Microsoft Windows XP 【 = Windows XP 】
マイクロソフトのパソコン用オペレーティング システム (= OS )。
Windows 95 、 Windows 98 の系統を引き継ぐ Windows 9x シリーズ、および、 Windows NT の基盤技術を用いて開発された Windows 2000 Professional の後継製品。日本語版は 2001年11月に発売された。
Windows のエンジンとして、 Windows NT のカーネルを採用しているため、従来の Windows ファミリの操作性と、企業のニーズに絶えうるほどの堅牢性を兼ね備えるように設計されているのが特徴。
ユーザー インターフェイスも大幅に改良され、より直感的な操作を可能にする工夫が施されている。また、インターネットやブロードバンド対応が標準として組み込まれているのも大きな特徴。
 パソコン向けには、 Professional Edition と Home Edition の 2 種類があり、 Home Edition は家庭での使用を想定して、家族の間で一台のパソコンを、各々のプライバシーを保護しながら共有して使用することが簡単に行えるようになっている。ネットワークの機能としては、ワークグループ接続による、peer-to-peer ネットワークがサポートされているため、家庭にある複数のパソコンを接続して家庭内ネットワークを構築する目的にも最適。
Professional Edition では、企業内ユースを想定し、 Home Edition の全機能に加えて、企業のビジネス活動では欠かすことのできない機能 (たとえば、ネットワークのドメイン管理やユーザー認証機能など) がサポートされる。
2.求められるインターネット接続環境
 インターネット接続は、アナログ電話回線を利用して、モデム経由でダイアルアップ接続環境にある場合もあろうが、この際はADSLや光ファイバーを利用したブロードバンド接続が求められる。
 これは通信データ量が大きくなることや、常時接続が好ましいことからNTTが提供するフレッツADSLやBフレッツに代表される通信料定額の高速通信サービスが好ましいとされる。なお、注意しておきたいのは、これらのサービスで表示される通信速度は最大速度であり保証速度ではないことである。
 事務所の位置や環境において速度は左右されるものであり、使用するパソコンや周辺機器でも大きく左右される場合がある。パソコンについて一定基準以上の仕様が好ましいのはこの通信速度実現の為でもある。
※Bフレッツ http://www.ntt-west.co.jp/broadband/service/bflets.html
※フレッツADSL http://www.ntt-west.co.jp/broadband/service/aflets.html
※NiftyADSL http://www.nifty.com/setsuzoku/adsl/
※Nifty光 http://www.nifty.com/setsuzoku/hikari/
3.鑑定協会ネットワーク関連
※ USBトークン(USBを利用したトークン:Token)
※ Token
 英単語としては「象徴、証拠(品)、記念品、代用貨幣」といった意味になる。
もっとも一般的に使われると思われるのは、このうちの代用貨幣の意味から転じた用法であろう。何らかの権利などを有することの証明として使う例が多い。
 ネットワークに関する用語では、トークンリング(Token Ring)がある。これは、ネットワークの方式の1つで、ネットワークにデータを送出する権利をTokenと呼ばれる特殊なデータで表現する。Tokenはネットワーク上にただ1つ存在し、順次各ノード間で手渡されている。ある時点でTokenを所有しているノードだけがネットワークに対する送信権を持つわけである。
 同様に、正当なユーザーであることを示すためのCookieや特殊なデータなども、意味的にはトークンとして利用されている例がある。
※ USB
 ユニバーサル・シリアル・バスの略で、キーボードやマウスなどさまざまな周辺機器を接続するために利用されている。USBが使えるのはウィンドウズ95OSR2からだが、本格的に使われているのはウィンドウズ98搭載のパソコンから。USBはひとつの受け口(ポート)で、キーボード、マウス、モデムなど最大127台もの機器を接続でき、また電源を切らずに接続の抜き差しができるなどの特徴を持つ。これまで周辺機器の接続にシリアル、パラレル、PS/2といったさまざまな接続ポートがあったが、それがUSBに統一されることでのメリットは大きい。
’99年10月に規格内容が発表されたUSB2.0だが、OSのサポートはウィンドウズXPからとなる。従来のUSB1.0と互換性を保ち、最大転送速度を480Mbpsまで向上させている。また、安定した転送レートを保証しているため、今後、高速通信が必須のデジタルビデオなどの機器への対応も期待されている。
 USBはUSB1.0とUSB2.0の二種類ある。当然にUSB2.0の方が速度が格段に速い。ここでも、パソコンの仕様が課題となるのである。
※ Internet網 SSL-VPN方式
 多くの事業者が利用するWANサービス網の中で、仮想的に閉域網を構築し事業者内での安全な通信を構築することが可能な各種VPNサービス。
これまで設定の手間や運用管理の煩わしさが発生しやすいIpsecと呼ばれる方式を利用していたインターネットVPNから、Webブラウザに標準装備されている「SSL(Secure Socket Layer)」を利用してインターネットVPNを実現する方法である。(データ暗号化通信システム)
※ VPN (Virtual Private Network)
 不特定多数のユーザーが利用するためセキュリティーに問題のあるインターネットで、特定の相手や通信範囲の中で安全な通信を実現するための技術。
※ ルーター ( router )
 複数の異なるネットワークの間で交換される通信データを中継するための装置。例えば、地球規模で広がるインターネットなどの大規模なネットワークを構築する場合、その全体を単一のネットワークとして構築するのは物理的に困難であり、管理保守の面でも効率が悪くなることが想定される。また、全体を複数のネットワークに分割することは安全面にも優れ、一部のネットワークがダウンしても、全体が機能麻痺することなく、通信データを他の正常なネットワークに迂回して継続的に伝送することができる。
 そこで、比較的小さな規模の範囲だけをカバーする、例えば、家庭内とか、部署ごととか、ビルの各階ごととか、あるいはビルの単位など目的に合った異なる範囲の構内ネットワーク ( LAN ) を複数のネットワーク セグメントに分割して構築し、それらを広域ネットワーク ( WAN ) を用いて相互に連結することで、全体として大きな一つのネットワークとして協調して動作するような仕組みが必要になる。
 ルーターは、このような比較的小規模な異なる範囲をカバーする複数のネットワーク セグメントと外部のネットワーク ( WAN ) を相互に接続する装置で、各々の異なるネットワークの分岐点に設置される。ネットワーク上を流れる通信データ ( パケット ) を通信先である目的のネットワークに中継する役割を担い、ネットワークの通信経路に関する情報 ( ルーティング テーブル ) を常に最新の状態で保持するように管理される。
※ヴィールス対策
 ヴィールス対策には幾つかのソフトが市販されているが、多くの場合は以下の二種のどちらかをインストールしているであろう。
今どきこの点はまず問題ないと思われる。
しかし、肝心なのは、これらのヴィールス対策ソフトをインストールしていても、それだけでは何の役にも立たないと云うことである。
(a)常時監視状態に設定されているか否か。
 PC起動と同時に、対策ソフトが起動しヴィールスの侵入を自動的に監視する状態に設定されているか否かである。常時監視でなければ何の意味も持たない。『常にインフルエンザワクチンが効いている状態』
(b)ソフトのヴィールス定義は最新か否か
 常時監視状態にあっても、ヴィールス定義が古ければ、やはり何の意味も持たない。このヴィールス定義を常時自動更新される状態に設定しておく必要がある。簡単に云えばPCを起動すると、対策ソフトが自動的にインターネットを経由して最新のヴィールス定義を探しにゆき、PC内のヴィールス定義を最新に保っているかどうかということである。
 『常にインフルエンザワクチンが最新最適である状態』
 この自動更新には多くの場合有料サービスであり、更新ライセンスの有効期間は一年間が普通である。どんなソフトを購入して自動更新を設定しておいても、一年経つとライセンスは無効になってしまい、その後の対策ソフトは「張り子の虎」となるのである。そうならないが為には、正しい設定と必要なライセンス取得が求められるのである。
繰り返すが、ヴィールス対策ソフトのバージョンは多少古くとも構わないが、ヴィールス定義だけは最新でなくてはならない。この定義は毎日のように更新されているのである。
※Norton AntiVirus (シマンテック)
http://www.symantec.com/region/jp/
※ウイルスバスター(トレンドマイクロ)
http://www.trendmicro.com/jp/home/enterprise.htm
他にもウインドウズのアップデートも結構重要である。
※Windows Update (microsoft)
http://v5.windowsupdate.microsoft.com/v5consumer/default.aspx?ln=ja
4.結論
 以上でお判り頂いたであろうが、要するに
『フレッツADSLもしくはBフレッツ (或いはそれらと同等以上の機能)でインターネットに接続し、「ウインドウズXP」が稼働するパソコン』という環境が、様々な局面を考えれば好ましいのである。
 なお、パソコンを更新する場合に、CDDは装備されて居るであろうが、FDDはオプションとなっているPCも最近は多いから注意する必要がある。
まだまだ地価公示などでは、フロッピーデイスクドライブは利用する場面が多いので、内装が無理な場合は外付けのFDDを購入しておく必要がある。

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