久々に、と云っても二年ほど休んでいた鉄道模型遊びを再び始めたのであるが、ここで「茫猿鉄道の歴史」をざっと振り返って見る。子供の頃にどんなきっかけで鉄道に興味を持ったのかは憶えていない。今は廃線となり線路も撤去されてしまったが当時は一番近い鉄道駅・名鉄竹鼻線大須駅(現羽島市桑原町大須)まででも約5kmもの道のりがある鄙の在であるし、その名鉄線だって年に一度も利用することのない路線であった。
廃線といえば、名鉄線は茫猿の在から長良川の東側に位置するが揖斐川の西側には近鉄養老線烏江駅(養老郡養老町)がある。この養老線も廃線が検討されていたが、子会社分離による行政補助を受け入れて存続が最近決まったものの前途は多難であろうと思われる。
【GoogleMapで茫猿の在と名鉄竹鼻線及び近鉄養老線の関係位置を見る。】
さて、ことのハジメは憶えていないが、鉄道模型に興味があったものの取り立てて貧乏ではないにしても子供に鉄道模型を買い与えるほど豊かでもないし、雑誌以外ではそのようなものに接する機会もなかったことから、長いこと夢のままであった。そういえば模型製作用の交流モーターが長いこと机の引き出しで眠っていた記憶がある。
モーターだけが何故手に入ったのかは憶えていないが、変圧器も整流器も買える小遣いなど無いことから何かの折りに手に入ったモーターだけが、大学を卒業後しばらくして帰郷した頃まで机のなかで眠っていたのであろう。
その後、学生生活を終えて帰郷し鑑定士生活に入って少し余裕が出来た三十台半ばに、やおら鉄道模型ジオラマ制作を始めたのである。この第一次茫猿鉄道とも云うべきジオラマは、当時幼児であった長男にグチャグチャにされ、やっと復旧したと思ったら、次男にまたまたグチャグチャにされたという苦い歴史をもっている。
その後、いつの日か「茫猿鉄道」を復活したいという希望を捨ててはいませんでしたが、なかなかに復活の機会が得られず、茫猿の鉄道車輌コレクションは書棚の隅で長い眠りについていました。 多くのコレクションはパンタグラフがむしり取られたり、車輌のカプラー(連結器)が破壊されたりと哀れな姿を横たえていたのです。
先ずは1983年頃の茫猿鉄道です。画面右手奥は春の田園風景、中央は地方都市のイメージです。手前左手は画面の外ですが、冬の山岳風景を作りました。トンネルを抜けると雪国のイメージです。中央の赤い屋根はロープウエイ山麓駅です。ロープウエイは架線が上手く張れず動きませんでした。(全体の規模は250cm×250cmのL型で、幅は約90cmです。)
さらに十数年を経て、子ども達が社会人になり仕送りの日々も一段落した頃に、その昔に我が鉄道に計り知れない打撃を与えた彼等息子達が狭いアパートで模型制作を始めたと聞き及び、負けじと第三次茫猿鉄道を復興して運行しようと思い立ったのが2003年春のことです。第三次復興着手した工事開始状況です。
復興工事が進捗した2003年6月の頃です。パノラマ合成写真ですから、つなぎ目が不鮮明です。
次いでその細部を左・中・右の順に掲載します。
中央部です。画面手前は基幹駅で、右手奥に高架駅が見えます。
右手です。奥が高架駅と駅前広場、手前が単線ローカル駅です。
このジオラマの当初設計図です。
第一期の工事がほぼ終了した2003年9月の頃です。パノラマ写真と分割写真を掲載します。パノラマ写真と分割写真は撮影方位が違います。
左手が転車台と機関庫が存在する鄙、右手が高架駅と駅前広場の都会のイメージで作成しています。
基幹駅に橋上駅舎が設けられました。中央左手は牧場、右手は列車区です。
ジオラマの左手です。
第三次茫猿鉄道の拡張工事が終わった2004年4月の頃です。ジオラマの大きさは280cm*120cmくらいです。左手奥には鄙の駅舎や川が見えます。この約1年後に破却したので、第三次茫猿鉄道は今や写真に残るだけとなり茫猿にとっても貴重な記録です。
ジオラマの中央部です。
右手に拡大して走行距離を伸ばし、奥に山を作ってトンネルを増やし立体感を増しました。
「番外編」 1979年8月当時、鉄道玩具で遊ぶ息子であるが、彼の年齢や線路の複雑さからすると、息子と遊ぶのを口実にしてどうも父親の方が楽しんでいる風情がかいま見える。鉄道模型前史ともいえる一枚の情景である。
1980年頃の初期茫猿鉄道です。カメラ目線は幼い頃の息子です。ジオラマサイズは150cm*90cmくらいです。
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