簡素な極楽

 09/02/24は既報のとおり土岐市での業務打ち合わせの後に、市内下石町に「徳利君」を訪ねた。さらにその後のことである。 少し時刻はずれの昼食を摂り、これもかねてから念願の極楽へと向かったことである。


 堂守が緑寿を迎えたからと云って、極楽志向におちいった訳ではない。 明智鉄道に昨年末開業した新駅を訪ねたのである。 先ずは土岐市から恵那市へと国道19号線を車を走らせたのであるが、既に時刻は時分どきを相当過ぎていたから、昼食を思い立ち、昔からこの地域での昼食はたいがいここと決めていた一膳飯屋に立ち寄った。 土岐市から瑞浪市釜戸地内に入ってすぐに、国道北側に店舗を構える「溝口屋」さんである。
 駐車場に車を停めると、店構えが大きくは変わっていないものの若干綺麗になっている。店の中へはいると、昼時分を過ぎているから、店内はがらんとしている。 昔(十年前くらい)は、店内中央に展示されていたオカズケースがない。 そこでメニューを見ると、とろろ定食(特)、とろろ定食、その他各種定食、日替わり定食、若干の一品という構成である。 とろろ定食は自然薯(ジネンジョ)使用とのことであるから、特か並か少し迷ったすえに並をお願いした。 腹が減っていたからすぐに箸を付けたので写真はないが、とろろ汁、麦ご飯、みそ汁、野菜煮付け、おしたし、冷や奴と大した豪華版である。 予想以上に美味しかった。 堂守マイウーである。 自然薯のとろろ汁がとても滑らかな上に、出し汁での伸ばし加減も、濃すぎず薄すぎず頃合いでとても美味である上に、麦ご飯との相性が絶妙である。(とろろ定食:1350円)
 
 腹ごしらえをしてから、恵那市内・旧岩村町の極楽駅に向かうのであるが、途中に「農村景観日本一」をうたう「岩村町富田地区」があるから、そちらにも立ち寄る。 農村景観を一望する展望台があるのだが、駐車場から結構急な階段を登らなければならない。小雨の降る中を息を継ぎながら登って撮った景観がこれである。 雨模様だからクッキリ写真とはゆかないが、しっとりと落ち着いた佇まいがうかがえるだろうか。 
 
 農村景観の展望台に設置してある説明掲示板と、案内板である。
 
 
 さて、いよいよ明智鉄道・極楽駅である。 昨年12/25に開業したばかりの新駅である。 駅付近の国道257号沿いには、SCやDIYショップなどが立地してあり、自動車を利用しない高齢者の買い物には便利な駅である。 ただ、駅の造りは至って簡素である。慢性的な赤字に苦しむ三セク鉄道だから、簡素なのはやむをえないとして、極楽という駅名といかにも不釣り合いである。 それとも極楽とはこのように簡素で単調なものと暗示しているのかもしれない。(勘ぐりすぎである。) なお、極楽という駅名は、駅舎付近の小字通称名を採用したと聞いている。
 
 少しDIYショップ駐車場で待っていたら下りのジーゼルカーが到着した。
 
 雨中の東濃路散策はこれでお終いである。 徳利君といい、農村景観といい、秋晴れの日にもう一度訪れたいものである。 ともに紅葉によく映えるだろうし、付近には岩村城趾もある。

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