地理情報システム学会

 鑑定協会サイトのリンク集には「地理情報システム学会」URLが掲載されている。 ただ残念なことにリンクURLが少し古くて、現在のサイトは別URLに移転している。 それはさておき、鑑定業界の外では地理情報と不動産実勢価格(取引価格情報)との関連に関心が高まっているのである。 詳しくは地理情報システム学会サイトをご覧頂きたいが、その主なものを記すと次のような事柄を挙げることができる。
 不動産評価の専門家を自負するのであれば、GIS先端分野の動きを見逃すことはできないであろうと思うのである。 不動産評価に取引価格情報並びに地図が必須であるとするならば、取引価格情報のデジタル化が実現した今は、デジタル地図・GISにその関心を向ける時と考えるのである。


会長挨拶 (08/05) 地理情報システム学会会長 柴崎亮介氏(東京大学)
「地理空間情報を使って上向きスパイラルを回そう」 (抜粋引用)
 データを地図に落としてみてはじめて全体の状況や,どこが特異な場所なのかがわかるとよく言われますが,まさに情報に位置や場所を添付して「地理空間情報」にすることは,単なるデータの塊を情報に変える有効な情報化のアプローチであえると言えるでしょう.
 情報を知識とさらに読み替えていきますと,断片的な知識を位置や場所を手がかりにしてさらに大きく組み立てていくことが可能になるとも言えそうです.たとえば,局地的,限定的な知識を積み重ねていくことで,より大規模で複雑なシステム,たとえば地球環境システムやグローバル経済のダイナミックスに関する理解を深めることができるでしょう.
 もちろん,知識はつなげれば勝手に深まり発展するというわけではありません.つないだ知識が本当にあっているのかどうか検証し定量的なモデル(これは計算可能,持ち運び可能な知識です)へとアップグレードしていくためには,さまざまな観測者による吟味・検証が不可欠です.このためにも観測値をきちんと「地理空間情報」に整理・管理しておかなければなりません.
※GIS学会・土地利用・地価GIS分科会:活動内容 (抜粋引用)
①テーマを決めて研究会・勉強会を開催する。
②土地利用・地価分野で実働しているGISについての実態調査を行う。
③土地利用、公示地価、路線価などのデータと、実勢価格などの各種データの応用可能性を検討する。
(2007年度活動目的)
 国土交通省が実際の取引価格をGISで表示する『土地総合情報システム』を構築し平成17年度より供用しています。 これは、これまで日本では民間の一部の試みを除いて、公には存在しなかった公示地価などいわゆる評価額以外の、大規模な実勢価格の情報を初めて公開するものと言えます。国際的には、実勢価格が常識です。
 これまでは国際的には当たり前となっている実勢価格のデータが存在しなかったため、日本の都市経済の実証研究は大幅に遅れておりました。このため、このシステムは、GISや都市経済の研究の上からも極めて画期的な意義をもっております。このシステムを利用することによって、GISや都市経済の研究が世界水準に近づくことが期待されます。
第22回分科会 09/01/21
テーマ:「空間回帰分析による地価のモデル化」
※GIS-理論と応用 Vol.17 No.1(09/06)には、下記論文が掲載されている。
時空間クリギングによる東京23区・全用途地域を対象とした公示地価の分布と変遷の視覚化
※GIS-理論と応用 Vol.15 No.2(07/12)には、下記論文が掲載されている。
Web GIS を用いた情報サービスの住民の選好の評価に関するコンジョイント分析の適用可能性
 「2009年度研究発表大会: 2009年10月15日~16日: 新潟朱鷺メッセ」
 地理情報システム学会への入会については、こちらから。 

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