2009年8月23日掲載のNSDI-PTへの提案(初稿)に引き続く提案第二稿を開示します。 NSDI-PTの本年度事業計画は(A)REA-MAP運用版モデルの構築、(B)時系列分析と地理空間分析を併せた地価の多元アプローチ検証、の二事業ですが、このうちB事業についての提案第二稿です。 いずれも不動産を取り扱う上で今や不可欠かつ、インフラであると云えるGIS利用環境整備に係わる課題である。
今回は市販のGISソフトを利用したGIS実証実験に着手するとして、その実験仕様について提案するものです。 幾つかの市販ソフトでは、インターネットを利用した地図配信ASPサービスがあり、地図データ配信、最寄り駅からのルート検索、フリースクロール機能などをはじめとする様々な機能を実装しており、物件所在地などの情報をビジュアルに地図表示が可能である。
※ASP:Application Service Provider
1.使用するDATA
◎東京都内都心三区、世田谷区、杉並区等 3~5区
◎複数の県庁所在都市2~3カ市
いずれも2007~2009年の三カ年間、土地、土地建物の一次データ及び三次データ(JIREI10.TXT)
◎DATA量は両者併せて約5万~10万件と見込まれる。(例えば岐阜市の場合では年間4,000件 3年累計 12,000件)
2.作業-a:事例表示
a.ジオコーダで、DATAに緯度経度情報を付加する。
b.地図上にアイコン表示する。
c.月別、取引種別、一次三次区分の検索機能、分別表示機能の付加。
d.四半期毎のアイコン表示色を変えて累積表示を可能とする。
3.作業-b:ルーテイング機能を利用した施設距離の計測
計測する施設距離は、最寄り駅、小学校、商業施設、最寄りの公示地、基準地、固評標宅地等への距離データである。 さらに、計測結果を事例レコードに保存する。 この保存データは、後に道路幅員、事例種別分類、都市計画用途地域、容積率等のDATAと併せて、価格帯試算分析データとして利用する。
4.作業-c:ポリゴンデータの利用
都計用途地域、状況類似地域のポリゴンデータを搭載し、所属する地域の種類データを取得する。
※ポリゴン(polygon)とは、元々は多角形という意味であるが、主に3次元コンピュータグラフィックスにおいて、三角形や四角形(ソフトによっては五角形以上も扱える)の組み合わせで物体を表現する時の各要素を指す。
5.作業-d:ユーザーインターフェース
2のc、2のd 及び駅勢圏域毎等の検索表示機能。
6.費用については、照会中である。
7.市販ソフト(パッケージソフト)か自社開発(オリジナルソフト)か
(注)この場合の自社開発とは外注によるオリジナルソフトのことである。
a.市販ソフトにて目的とする事業遂行が可能であれば、市販ソフトを利用した方が、事業環境実現が早く、確実であり、経費的にも一般に廉価である。
b.自社開発ソフトは、独自あるいはユニークな事業実施が可能であるが、高価になりがちであるし、ソフト作成に伴うバグが発生し易い。さらに、完成までに長期間を要する場合がある。
c.自社開発ソフトは開発を発注した外注先に依存しがちな状況を発生させることが、最も留意すべき事項である。
d.望ましいのは市販業務ソフトに同じく市販汎用ソフトをリンクさせることにより、必要に応じたカスタマイズを行うことである。 この際に製品サポートを利用して協会内で開発するか、第三者の支援を求めるべきかは、今後の検討課題である。
e.市販ソフトの利用は必然的にデータファイルの汎用性を維持することとなり、他のソフトへの転換も容易である。
引き続いて、社会への情報還元についてその手法や還元する情報内容等についての検討が必要かつ重要なのであろうが、それらは実証実験を終えた上で、実施可能なことを見極めるべきであろうから、現段階では目標設定のみでよかろうと考える。
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