讃岐路早春賦

島に一泊した茫猿は、その夜は高松に渡り市内御坊町の「山ちゃん」にて次男と夕食を摂るのである。酒をたしなまない次男には、島での日頃の精進を労って、思い切り食べてもらった。腹一杯食わせてもらった島苺の礼なのである。まさにイチゴ一会である。
地蛸の煮付け、カタクチの天麩羅、アナゴの白焼き、フグの唐揚げ、刺盛などなどである。一年ぶりの訪問でも「お久しぶりッ」と、山ちゃんはいつに変わらず旨いものを手早く食わせてくれる。有り難いお店である。


翌朝は金比羅さんにお参りする。金比羅さんは高校の修学旅行以来であるが、お参りが目的だったのではない、罰当たりかもしれないが琴電に乗りたかったのである。終着琴平駅フォームにて、乗車してきた琴電。

琴電琴平駅

琴電のついでに参拝という罪滅ぼしに、参道階段785段を喘ぎながらも踏破する。

やっと辿り着いた本殿では、何処かの誰かが多くの海幸山幸をお供えして、昇殿参拝をしていた。
そういえば、忌みにあたる茫猿は初詣をしていない。忌明け後初の神社参拝である。

金比羅参拝を終えた茫猿は、JR琴平駅に向かう。目指すは観音寺である。観音寺路地裏巡りを味わってみたかったのである。JR琴平駅から土讃線経由多度津まで、そこからは予讃線に乗り換えて観音寺に至る。

目的地、観音寺駅。観音寺は銭形で有名な町であるが、今回の旅では銭形見物は割愛した。金比羅さん758段往復をし、観音寺町歩きの後に琴弾山まで登る気力も体力もなかったし、木曜一斉定休で目指すお店は休みばかりで、讃岐うどん店を探すのに疲れていたからでもある。

駅前通を横断する川に架かる大正橋も欄干に銭形をあしらっている。

案内標識も銭形くん。この近くに観光案内所があったのだが、商店街木曜定休にならってここもお休みである。休みなのは致し方ないとしても、せめてガイドマップくらいは軒先に並べておいてほしかった。

煉瓦造りの倉庫と土蔵作りの店舗が並んでいる路地裏の山地蒲鉾さん。できたてアツアツをさらに路地奥の工場で注文すると、ひとり一枚ずつの注文も気軽に受けて頂いた。野菜天麩羅一枚70円也である。できたてアツアツはとても旨かった。
さらに違う天麩羅(はんぺん)も勧められたが、うどんの為の腹を考えて辞退したのである。 ところが、この後うどん店を探して探して一時間余も町を彷徨うこととなる。 山地さんで教えて頂いたうどん店は全部木曜定休だったのである。
行き当たりバッタリの旅をする茫猿だから、全ての行き違いは町のせいなどではなくて、茫猿の無計画性の結果であることは言うまでもない。 デモネー 無計画だからこそ思わぬ出会いが嬉しいのである。 探し疲れてふと見上げたうどん店の小さな看板に誘われて暖簾をくぐった、「創業三年目」というカウンターだけのうどん店に感激するなどと云うことは、無計画彷徨い旅ならばこそである。 《この創業三年目のお店では、三周年記念・うどんチケット11枚綴りを発行していた。さすが、喫茶店でも珈琲よりうどんを売りにするという讃岐饂飩の地、感服!!!》

手焼きエビせんべい、あいむす焼き(相蒸焼) ここも売店だけで、工場は探せなかった。案内地図もパンフレットも入手できなかったからである。買い求めたあいむす焼き煎餅は汁や鍋にしてもよいとのこと、たまたま作ったカワハギのちり鍋に入れてみたら、エビの旨味も味わえる生煎餅という感じであった。
総じて始まって間がない路地裏巡り、準備が整っていないのも仕方ないことかもしれない。 だけど鶴瓶の家族に乾杯放映効果は大きいだろうから、三月以降の路地の混み具合が気懸かりである。
駐車場、トイレの問題もあるだろうが、一般民家からの苦情が殺到しないかと、よそ事ながら心配する茫猿である。町興しも島興しも一筋縄ではゆかないのである。

久方ぶりに、『鄙からの発信』定番・街角の蓋、先ずは琴平の蓋。

次いで観音寺の銭形をあしらった蓋。

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