既述のとおり、11.01早朝に家を出て東京国立博物館に向かったのである。 いささかは荒れ場も予想される午後の会議を前に心静めておこうと思い立ったのであるが、其処で思わぬ拾いものをしたのである。 東博を訪れるのは初めてではなく、上京の折に心惹かれる展示があれば訪れていたのだが、今回も法然と親鸞展を目当てに訪れたのである。 真宗門徒として、しかもいまは寺総代を務める身であるからには一度は拝観しておこうと考えたのである。
法然と親鸞展は結構なものでしたが、あえて記事には致しません。詳しくは博物館公式サイトに譲ります。
一時間ほどをかけて平成館の全展示を見終わったあと、まだ時間に余裕があるから本館に向かおうかと掲示板をふと見ましたら、庭園が秋の公開をされているとのこと。朝早くから移動しているので少し疲れた身体を休めようと本館北側の庭園に向かいましたところ、ワゴン車の珈琲販売店があります。 コーヒーと軽い食べ物を求めて池の端においてあるベンチに腰をおろしました。
法然と親鸞展は全国の寺院から比較的年配のツアー客がやってきていますから、それなりの混雑もしていますし、話し声も耳障りですが、庭園には訪れる客もまばらであり、青空のしたで佳い時間を過ごせました。
小半時も庭で泳ぐ鴨たちを眺めながら構内案内図を確かめていますと、法隆寺宝物館(1999年開館)が目に留まります。法隆寺は大好きなお寺ですから、この機会に観ておこうと足を運びました。 これが大正解で、この日の拾いものだったのです。先ず、その建物のたたずまいに心惹かれました。 本館のように偉容を誇るものではありませんが、正面前の水庭と水面に映る建物の影、たまたまとはいえ空の青さ、雲の白さ、柳の緑、それらが渾然一体となって、一つの作品を展示しています。
宝物館に入って振り返りますと。(画面右端に黒門が見えます、中央の青いドームは表慶館)
そして、展示室に入ったとたんに圧倒されます。ほの暗く照明を落とした室内に整然と展示される数十体の金銅仏が並ぶさまは見事なものです。 一つ一つの仏像は信仰の対象でもあったのですが、今は個々が美術品として、全体としても尊崇をそなえた美術展示となっているのです。
博物館正門西よりの黒門(旧因州池田藩江戸屋敷表門)。
最寄りJR鶯谷駅付近の陸橋から眺めたスカイツリー。
おまけは、家を出る時にカメラに残した朝陽。
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