柄にも無く、今年の目標と題してはみたものの、古稀を過ぎ次は喜寿への道を歩む身である。喜寿への道といえば聞こえがよいが、冥土への道をまっしぐらと云った方がよかろう。今更に目標などと烏滸がましいのであり、せいぜい願望といった程度であろう。
先ずは一月、闘病生活を続けている古い友を見舞いたい。もう十ヶ月も見舞っていない彼は、順調に回復しているようであるが、その予後を尋ねたいのである。 昨年末には訪ねることが叶わなかった止揚学園も訪ねたい。しばらくお会いできていない福井先生にもお目にかかりたい。
春先には、鄙桜を楽しみたい。孫の誕生を記念して植えた緋寒桜も花を付けることだろうし、御衣黄桜や河津桜や枝垂れ桜もぼちぼち花を咲かせるだろう。
五月末頃には、山辺の道から飛鳥路、そして高野山あたりを訪ねてみたい。桜の頃や連休あたりの喧噪を避けて、緑したたる大和路を歩きたいと思っている。先を急がず、万葉のまほろばを徘徊したいものだと願っている。
年内には、孫と海外といっても東南アジアあたりのリゾート地でステイ・ライフを楽しみたいと願っている。年末年始、FaceTimeでプーケットに遊ぶ孫と会話にもならないテレビ電話を楽しんだが、やはり見るより聞くより一緒に楽しむのが一番だと思わされたのである。 この二年間の孫の成長の跡をiCloudアルバムで振り返ると、今を存分に楽しみ味わっておかなければ、あとあと後悔すると思わされたのである。 幼児の成長は早く、花の盛りは駆け足で過ぎ去ってゆくのであり、先送りは許されないのである。
昨年末から修行を始めた麺打ちは、十割蕎麦、柚子切り、茶蕎麦、ささめうどん《細打ちの饂飩》等が打てる程度に腕を上げたいものである。陋屋では折々に、野焼き秋刀魚之会、芋煮会、鶏燻之会などを催してきたけれど、今年はプラス亭主手打ち麺之会をと考えている。
畑は特に栽培品種や耕作面積を増やすことは考えていない。 菜花、キヌサヤ、空豆、茄子、トマト、胡瓜、葱、玉葱、万願寺、獅子唐、馬鈴薯、甘藷、里芋、伊勢芋、ニンニク、分葱、白菜、甘藍、ゴーヤ瓜、真桑瓜、大根、人参、法蓮草、などなどを今年も多品種少量生産でと考えている。 他にもブルーベリー、柿、渋柿、梅、蜜柑、柚子、酢橘、カボス、無花果などの果樹があり、水仙、薔薇、皐月、平戸、満天星、夏椿などの花樹の面倒見もある。母が遺した菊、父が遺した蘭も養生してゆかねばならない。
「鄙からの発信」では、鑑定士残日録の記事数を年内に十個には達していたいと思っている。ただ号数を重ねることだけが目標ではない。それなりの中味を伴わなければ、駄文の羅列に過ぎないこととなる。どれほどアクセスに耐えられる記事を掲載できるか、茫猿の過去と今の精進が問われるのだろう。
総ては願望である。叶いそうな願いもあれば、先行き不透明の願いもある。なによりも、一年一年、一日一日、確かな明日が不確かになってゆく日々でもある。だからこそ、いたずらな先送りは許されないのである。焦ることは無い、叶うものもあれば叶わぬこともある。それが人生なのであろうと諦観するにはまだ血の気の多い残日半ばの茫猿である。
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