来日したトランプ大統領はマッカーサー元帥の再来なのであろうか。どういうことかと云えば、マッカーサー元帥がバターン号で神奈川県厚木飛行場に降り立ったのは1945/8/30のことである。そして、トランプ大統領が米軍横田基地に降り立ったのは72年後の2017/11/5のことである。
米国大統領の日本公式訪問であるのに、羽田にも成田にも降り立たず、米軍横田基地に降り立ち、在日米軍兵士に演説を行い、次いで大統領専用ヘリコプターで埼玉県川越市の霞ケ関カンツリー倶楽部へ飛んだのである。つまり、トランプ大統領はゴルフ場に到着するまで日本国管轄地を踏んでいないのである。
日本国を公式に訪問するのにも関わらず、米国の治外法権が認められている米軍基地に降り立ち、自国の兵士に向けて演説を行うということは、失礼なことだと考えないのだろうか。傍若無人トランプ流と云えばそれまでだが、傍に人無きが若しとされた日本人は如何に反応すればよいのであろうか。
また日本政府としても、外国の賓客は羽田に降り立つのが通例なのに、マッカーサー元帥のごとく米軍基地に日本第一歩を記るすという、非礼というか日本国民の感情を逆撫でするような行為を、なぜ認めたのであろうか、とても疑問である。
日米地位協定により治外法権が認められている米軍基地は米国占領地にも等しいのであり、トランプ大統領が横田基地に降り立つということは、《法的に問題無しとはいえ》72年前のマッカーサー元帥の占領地日本登場を思い起こさせると云えば、穿ち過ぎであろうか。
トランプ大統領と安倍総理の友情(?)を忖度して、日本政府は見過ごしたのであろうか。大統領の横田基地飛来という行為を例えてみれば、友人宅を訪問するのに玄関も勝手口も通らず、裏庭からからいきなり表の庭へ土足で踏み込んだような行為に思えるのであるが、読者各位は如何に思し召すのであろうか。
茫猿は「米国大統領が米軍横田基地に降り立つ」というTVニュースを見たときに、マッカーサー元帥がコーンパイプをくわえて占領地日本の厚木基地に降り立った光景《写真》を思い出したのである。そんなの有りかと思い、日本も舐められたものだと感じたことである。
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