五輪のオモテナシはお手も無し

一年後にはオリンピック・パラリンピックが始まる。オリンピックは2020年7月24日から8月9日、ちょうど梅雨明け十日の蒸し暑さ極まる頃である。パラリンピックは2020年8月25日から9月6日、残暑の頃であり二百十日をはさむ台風襲来真っ盛りの頃である。《台風特異日はさらに先の09/26、洞爺丸、伊勢湾、狩野川台風襲来日》

何故、こんな時期に誘致したのかと問えば、開催時期はIOCが定める誘致立候補の前提条件なのであった。サッカーやバスケットなど欧米のスポーツイベントが少ない、端境期である八月が五輪適期なのである。要するに欧米テレビ業界のスポーツ中継即ちCM獲得の都合が開催時期を決定している商業五輪なのである。電通が様々に支配する日本のテレビ業界やイベント業界の世界版と理解して然程違わないだろう。
《白鮮やかに満開のレインリリー:Zephyranthes》

JOC・日本政府・東京都は、八月開催が開催誘致前提条件だったから抗しようが無い、というよりも八月開催を前提に誘致立候補したのである。JOCなどは日本の八月は甲子園で高校野球が開催されるスポーツ好適月間だと考えたのであろう。

ここまでの温暖化も大都市のヒートアイランド化も進んでいなかった昭和の時代に、スポーツ少年少女であったろうJOCや体協のメンバー諸氏に昨今の酷暑は”想定外”なのであろう。何よりも、まだまだ「撃ちてし止まむ」精神が跋扈していた時代に青春を送った世代である。

誘致スピーチの「オモテナシ」は実は「お手も無し」だった。暑さ対策には、アサガオを道端に並べて涼気を誘ってみようとか、スノーマシンの雪を降らしてみたり、道路に打ち水をしてみたり、中には路面店舗のドアを開放して室内の冷気を戸外に開放させようなどと、噴飯もの、失笑もの、呆れて口アングリ愚策を臆面もなく次から次へと記者発表している組織委員会である。

他にも中身の無い「オモテナシ」は幾つもある。ボランテイア募集は良しとしても、プロボノ(専門家が、職業上持っている知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動)に頼るあまりに、医療関係者のボランテイア募集は論外だろう。プロボノは自主活動なのであり、組織委員会がプロボノを求めるのは筋違いというものだろう。

そもそも「おもてなし」というものは、迎える側が行き届いた接待をし訪問者側が歓ぶことを云うものである。心づかいがあれば良いと云うものでは無い、実がこもってなければ無意味である。ましてや訪問者に形無し”心(のみ)”づかいを受け取ってくれと云うのは論外である。それを形骸という。
《こちらはヤブランの紫:Lycoris radiata》

組織委員会は旭日旗のスタンドへの持ち込みは自由という。東南アジアでの旭日旗は旧日本軍の象徴であり歓迎されざる存在であるということを知らない訳でも無かろう。それに、FIFAで旭日旗は禁止対象である。ここでも「オモテナシはお手も無し」になった。

メインスタンドに旭日旗が持ち込まれて騒動になる様子が世界に発信される2020年8月、観客が熱中症で次々と救急搬送される様子が世界に発信される2020年8月、沿道に干上がったアサガオと無風に音も無くうな垂れる風鈴が並ぶなか打ち水に興じる安倍総理と小池都知事の絵柄が世界に発信される2020年8月、思うだけで寒気がする2020年8月。《※都知事の任期は2020年7月30日》

極限まで商業化が進んだオリンピック、福島原発は制御下にあると虚言を弄して誘致した五輪、東北復興五輪と言いながら被災地は視野の外に置かれた誤倫、旭日旗を掲げておもてなしする誤倫、今更返上も変更も出来ない誤輪。たかが五輪されど五輪、嗚呼五輪。

《2019.09.26 追記》猛暑の影響で例年より一週間程度遅れている彼岸花が開花し始めた。土手に赤い帯をつくる花盛りを迎えるのは数日後のようだ。中江川土手沿いに植え付けているが、西江川土手沿いにも植え始めている。
《白、紫の次は秋彼岸定番の曼珠沙華の赤:Lycoris radiata》こちらは、まだまだ花を咲かせている木槿(韓国では国花ともされている)、花木の間から昇る朝陽が見える。彼岸の頃の朝日の位置はこのムクゲのあたりだが、冬至の頃はさらに南寄りに移る。

※伊勢湾台風 1959.9.26潮岬上陸、紀伊半島を駆け抜けて日本海に至る。台風の東側に位置した名古屋市や岐阜県西濃地方の被害が大きかった。上陸時気圧930mb、最大風速60m/s。犠牲者5,098人、

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2 Responses to 五輪のオモテナシはお手も無し

  1. 福田勝法 のコメント:

    権益塗れの誤輪。スポーツマンシップは遠くカスミ、商業ベースが跋扈。歳々年々襲いくる自然災害の前に無力な日本列島。本当に心を一つにし、冷静に国費を配分すべきと思いますが、マスコミを巻き込んだ、宣伝効果のみを狙った場当たり的政策。この国は、何処に向かっているのか、考えさせられます。スエーデンの17歳のグレタさんの爪の垢でも煎じて飲んで欲しいですね。

    • Nobuo Morishima のコメント:

      フォローコメントありがとう。グレタ嬢の爪の垢は太郎や進次郎や晋三に飲ませなければと思いますが、我々も飲まなければと思います。隗より始めよとも言います。

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