この秋も巡ってきた”柿すだれ”の季節である。柿の出来不出来、天候とのめぐり合わせなどの違いはあるにせよ、木枯らし吹く前の軒先が彩り華やぐ頃である。
我が家の渋柿は蜂屋柿と平核無(正確には不詳)である。今年は蜂屋柿が豊作と平核無が不作だった。とはいえ、老いを自覚しつつある茫猿にとって柿を収穫し皮をむき紐を結わえ熱湯を通して吊るすまでの作業量は結構なものである。だから不作だった今年の干柿量(概ね300個強)が、衰えた体力に相応のものに思えた。
母の皮むき以外の実際の作業現場は見た記憶がないが、父が収穫し母が皮をむき父が軒先の竿に吊るしていただろう曽てを思い浮かべている。既に老境に達した夫婦二人で納屋の中で作業を続けておれば、干柿作りが似合う二人になるとは思いもしなかったと互いに言うのである。
ところが、今年の干柿は落果が例年になく多い。朝になると5個も10個も落ちている日がある。原因がわからないので干柿の下で首をひねっていると、家人が湯通しの時間が長すぎたせいだろうかと言う。聞けば、五秒以上も熱湯に浸けていたと言う。落果の現状を見れば熱湯浸けのせいとしか考えられない。来年は焼酎浸けに変えよう。
今年も順調に収穫できた銀杏である。昨日、掃除し終えた分でまだ半分程度。
黒っぽい銀杏も混じっているが漂白していないからである。
(2019.10.30 5:50)二、三日続いた雨が上がり、今朝は霧が濃い。ツツジの枝先に掛けられた小さな蜘蛛の巣に霧のつゆがかかって玉すだれ状態である。今日の作業は昨日に続いて銀杏の掃除(果実に付着する果肉の洗い落とし)干し上げ、カブラの間引き、絹サヤの種播き、畑の除草などである。雨前に植え付けた玉葱苗が根付いているか見回り、補植が必要であれば苗を買いに行こう。
《2019.10.31 追記》またひとり私より若い方の訃報が届いた。去る10.27にお亡くなりとのことである。彼・樹下健志氏との一番の思い出は協会会長選挙の折に九州遊説に同行をお願いしたことである。鹿児島、熊本、福岡と巡る旅を二人で歩いた。また、我が家での芋煮会には毎度欠かさず出席していただき、その都度 ”古川めでた”を披露していただいた。(ご冥福をお祈りして 合掌)
《2011/05/21 2分41秒》110521imoni 《音声にご注意》
岐阜県士協会の面々が芋煮会に集う鄙里木陰の席で、樹下氏が「古川めでた」を唄う。今やお歴々である岐阜県士協会の面々が正座して聞き入っているのが、何やらおかしい。
《 101031hidamedeta 》《音声にご注意》
前年秋に唄われた飛騨古川メデタ、歌い手は同じだが聴衆が異なる。
関連の記事
- 柿すだれ : 2015年10月20日
- 秋深まる風物詩 : 2016年10月21日
- 飛騨古川めでた : 2011年5月27日
- 2013迎春 : 2013年1月1日
- 2019師走景色 : 2019年12月1日
- 茅屋暮秋 : 2010年11月22日
- もう冬です : 2005年12月7日
- 本光寺 瀬戸川 蓬莱 : 2011年1月23日
- 2019年 己亥 春風献上 : 2019年1月1日
- この秋も採れた : 2018年10月18日
樹下健志さんが10月27日亡くなられました。詳細は不明で、既に通夜、告別式はとりおこなわれたと聞いています。合掌