2020茫猿鉄道番外編その3

又々、茫猿鉄道ジオラマの記事である。少し度が過ぎている、淫していると思わないでもないが、喜寿翁の手遊び(テスサビ)であるからして御寛恕あられたし。1月13日に第八期の制作を開始して月末には一応の完成をみたと記したが、その後も作業は続くのである。

その後に、隧道や山地の情景が不満となり補修正工事を行い、さらに路面鉄道が欲しくなりなどなどの大幅小幅の改修工事を施していた。どうやら竣工という段階を記録したのが2020.02.25のことである。それでも立ち寄った模型店でジオラママットを見つけて、基盤の意匠を変えたくなり、更に作り込み度を高めたくなったのである。

そして本日2020.03.05、これ以上はもういいやと思える二度目の竣工式を迎えるのである。前倒し春休みに孫たちが東京から疎開してくることがあれば、名古屋港のリニア・鉄道館は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため休館中であることから、我が家の茫猿鉄道ジオラマで楽しませてやりたいし、一緒に遊びたいと思っている。

その前に、一応の竣工を迎えた2020.02.24のジオラマ概要はこんな様子だった。
そして、面目を一新した今朝の茫猿鉄道である。ちょいと見には何処がどう違うのと云うことだと思いますが、先ず違うのは化粧合板の上にあったジオラマが、模造とはいえ芝の上に鎮座するようになりました。

今回の改修工事概要
その1、山寺(望遠山観定寺と命名する)の境内前に車止めの柵を設けた。境内には和装の参拝客が見える。境内を取りまく林には桜に松それから名前は分からないが何かの花木も見える。
その2、街にも村にも自動車が増え、人の往来も増えている。観定寺の位置する高台と市街地とのあいだの法面は無味乾燥な塗装面だったが、植栽が進み緑化された。

写真上段は山寺と山寺門前駅、下段は鄙町の往来と鄙町駅。このジオラマには時代の流れを映す背景が有ります。山寺観定寺は江戸中期以降に創建された古刹です。山寺門前駅と鄙町駅は明治末期から大正にかけて敷設された路線の駅ですが、その後に高架化廃線となり今は駅舎のみが残ります。それはジオラマ制作の経緯でもある実史です。《茫猿鉄道2020 -4-に旧線路写真有り、投稿日: 2020年1月25日 》

駅舎の背後に見える高架ループ線は廃線後新設された路線です。写真下段中と右の街並みは小さな神社や消防車庫を挟んで銭湯や町工場が見える昭和の情景です。

《以下、写真はサムネイル、要クリック・スライドショー有り》
   
   

その3、線路の敷地はジオラママット・ターフ二種類を敷いて美観を高めた。HOゲージ線路区域とNゲージ線路区域とのあいだに、変電所、JR事務所(イメージは旧国鉄岐阜工事局)などを立地させた。最初のターフは正面側半分のみだったが、ターフを追加注文してジオラマ全域に敷きつめた。《当然だが、遠吠岳の下は敷いていない。》

その4、JR事務所の近くには踏切も設けた。踏切は今回のレイアウト構成の関係上及び予算面から自動踏切は断念し、遮断機開かずの踏切である。自動踏切は列車の進行に呼応して遮断機が上下し、警告音が響き警告灯が点滅する踏切である。でも茫猿は手を出さない。そんなものに大金を投じる位なら路面電車輌を買う。また今回のレイアウト構成上からも無理筋なのである。

写真上段は変電所や不細工な踏切、下段はトンネルなど。此処の街並みは平成期の街並みですが、お定まりの地方衰退の影響を受けている街並みの情景です。平成の街並みにはモータリゼーションの荒波をくぐり抜けて生き残った路面電車の軌道敷が見えます。
  
  

《踏切追記》茫猿の購入した情景小物・踏切は遮断機降りっ放し、しかも組み立てキットであるが、代価は900円である。ところが数時間も四苦八苦して組み立てたところ、手持ちのレールとはジョイントが不整合なのである。

絶望のどん底に落ちた茫猿だが(大袈裟だけど失望感は大きかった)、ここで投げ出さないのが今の茫猿である。其処から考え抜いて、せっかく組み上がったキットを再び解体して、手持ちレールと手持ち資材を動員して組み上げたのが 03/04午前二時半である。始めたのは前日の午後四時ごろだった。

翌日、接着剤が乾いてからジオラマに組み入れて試験走行するのであるが、なんと見事円滑にEF65電機は踏切を通過するのである。我ながらヤルモンダ、900円が活かされた。踏切が連絡する道路は設けていないし、分解再組立した踏切に違和感が漂うのは無理ないことだが、苦心の労作を記念して”開かずの踏切”として情景の一部とする。いつの日にか全自動複線踏切の導入を実現したいものだが、夢だな。

その5 隧道の上の遠吠岳裾野の放牧場に外周柵を設けた。山の駅や放牧牛馬の積込み駅をイメージする積載場も設けた。町場の屋根などの”汚し”《経年劣化の雰囲気を醸すことを汚しと云う》も行った。こうして、第八期茫猿鉄道ジオラマはもう手を入れる処が見当たらない程に充実した。思わぬ長期間の春休みを持て余しているだろう、孫娘たちが鄙里にやって来るのが待ち遠しい。

その6 ホウーと言わせたいのは孫だけでは無いので、我が息子たちにも言わせたい。幼い頃から、彼らは「鉄ちゃん」真っしぐらに育っている。専用のジオラマを与えたこともあるし、偶に出かけると云えば各々が好きな駅弁を買って一日中乗り鉄だった。養老鉄道、樽見鉄道、明知鉄道、近江鉄道、大井川鐵道、梅小路機関庫などなど、鉄道以外の一日行楽を共にした記憶は少ない。

写真上段は牛馬積込み場と放牧場、下段はジオラマ背面そして渓流。
  
  
その彼らなら第一期からの経過も進化も憶えているはずだから、今回の第八期の完成度や入念さも理解して呉れるのではと思っている。「親父の最後の制作」に、どのような感想を聞かせてくれるのか楽しみである。不可能なことだが、博一や弘にも何処かで見ていて欲しいと思っている。

さてこれからである。先ずは全保有車両のメンテナンスを行い、運転を楽しみたい。走行不良車両の円滑な走行を取り戻し、走行不能車両は動力部分の取り替えを行いたい。耳を澄まして走行不良音を聞き分けて、線路のメンテナンスを定期的に行い、良好な走行状態を常に確保していたい。情景の不断の保全と改良更新を行い、出来れば新しい車両を迎えたいと願いつつ、余生の楽しみの一つとする。

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