以前の記事でふれたとおり、茫猿は三月末に40年勤めた法人事務所を退職して個人事務所を設立しました。とは云うものの、住所も電話番号も同じで、いわば暖簾を掛け替えただけです。だから封筒は旧封筒にシールを貼り、名刺は手作りでもかまわないと思っていました。
ところが、四月早々に何件かの評価依頼が到来し、実は私は四月より屋形を替えましてと説明せざるを得ないはめとなり、名刺も手作りという訳にはゆかず、急遽、高校時代からの友人が営む印刷屋さんに、名刺、封筒、評価書表紙を作成依頼しました。いずれも手作りやゴム印で代用できない訳はないのですが、それではあまりにもお粗末というか、いささかミジメにも見えます。あの先生も「前期高齢者」目前の年齢だし、「今更、名刺や封筒を新調する必要もなかろう」と思われるのもシャクだし、何よりも加齢者だからこそ、華麗に小粋に小綺麗にいたいものと思います。それでなくとも加齢者は、前屈みに姿勢悪く、皺深くシミ増えるばかりであり、放っておけば小綺麗どころか小汚くなります。小粋どころか小癪になりかねません。
そういう訳で、急遽お願いした名刺や封筒の校正刷りが今日届けられました。流石、プロの仕事です。餅は餅屋とはよく言ったもので、納得のゆく校正刷りでした。ロゴも新しくした名刺が刷り上がってきましたら、それをもってご挨拶に廻ろうと考えています。
「今日の一句というか、只の駄句を幾つか」
(夜遅く、苫屋に帰れば、沈丁花と桜が匂いて。)
破れ庭に(やれにわに) 忍び香(しのびか)ただよう おぼろ月
(今朝の雨音を聞きながら。)
吹く芽も 散る花もあり 春嵐哉
(同じく、雨音を聞きつ、垂れる花枝を見つつ)
花重し 無情の雨と 女(ひと)はいう
(枝垂れ桜の美しい、伊奈波神社参道にて)
枝わけて 香り聞かむと 垂れ桜
(関ヶ原、生活美術館にて)
ゆく春や 石彫のかげに 蜥蜴見ゆ
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