新しくNSDIというカテゴリーを設けました。NSDIとは「National Spatial Data Infrastructure」の略称であり、国土空間データ基盤整備と訳すことができる。この関連法案が地理空間情報活用推進基本法である。
地理空間情報活用推進基本法については、前号記事に紹介しました。
インターネット網が通信インフラであるならば、NSDIは、国土情報コンテンツのインフラなのであると云われる。同法は知る人ぞ知るという感じであり、マスコミに取り上げられることも少なく、茫猿もつい先日まで同法の存在を知らなかった。国民生活に影響を及ぼすことも大きいだろうに広報の少なさをいぶかっていたら、実は議員立法のようである。
自民党同法推進部会事務局長 新藤義孝氏のサイトによれば、
『この法案の目的は、これまで別々に行われようとしていた二つの大きな仕事、①電子的な地理情報システム(GIS)と、②衛星測位システム(PNT)を合体させ、一体的に推進することにより、わが国の地理空間情報のより高度な活用や、行政や民間による新しいサービスの提供を行おうとするものです。』
『世界的科学誌ネイチャーでは、地理空間情報技術は、ナノテクノロジー及びバイオテクノロジーとともに将来が期待される三大重要科学技術分野のひとつとされているのです。
』
この法案が示す方向や、この法案によって提供される「基盤地図情報等」を、鑑定業界がどのように利活用できるのか、未だ定かではない。しかしその方向性として、取引価格情報や悉皆調査は「国土情報コンテンツの大きな一つ」であることは疑いないことであり、それらを国民生活に密着するかたちで提供してゆく作業に鑑定業界が関わってゆくことは必然である以上に、義務であるといえよう。同時にWebの持つ双方向性を十全に活用したビジネスモデルの構築も待たれるところである。
鑑定業界にとって、当面の目標は公示事例カード二枚目の自動作成であろうが、それとても現行フォームによる作成を目指してはならないと云える。つまり二枚目は位置図の自動作成であり、三枚目は地形図イメージデータの保存であり利活用なのである。 そしてそれら一次から三次に至る様々の多量データを駆使したビジネスモデルとしての市民サービスの構築が到達目標となるべきであろう。
「関連サイト」
・国交省:地理空間情報プラットフォーム
・経済産業省:商務情報政策局 情報政策課 地理空間情報活用推進研究会(地理空間情報の活用推進)
ここの第四回会合の配付資料の末尾に掲げられる参考資料は全体俯瞰図やビジネスモデルを示しています。また第三回配付資料(2)には、岐阜県の取り組みが説明されています。
・県域レベルの大縮尺地図統合 ~ NSDI 構築に向けて ~(岐阜県)
・GISポータルサイト (国土交通省国土計画局総務課国土情報整備室)
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