比準表モデル(リニア比準について)

【茫猿遠吠・・比準表モデルに関して・・02.02.17】
読者から茫猿の云う比準表についてお問い合わせがありましたので、
リニアモデルについて小さくまとめました。
鄙巷交歓に掲載する「kohyo.exe」と併せてご笑覧下さい。
[リニアモデル(リニアプログラミング)]
 企業経営における生産・輸送および長期にわたる経済計画などを最適にす
るのに用いられる数学的方法の一つ。制約条件をいくつかの一次の等式また
は不等式によって表し、計画の効果をはかる尺度も一次式によって得られる
もの。線形モデル。
[マトリクスモデル]
 数字や文字を正方形または長方形に配列したもの。
マトリックス。格子状モデル。
※両式による比準表並びに計算例
(格差区分) (優る・a)    (普通・b)    (劣る・c)      (限界値)
(要因数値) (500m未満)  (500m以上)  (1000m以上)    (9999m)
(格差評点)  ±0点      -5点      -10点        -30点
 マトリクス手法では、上記比準表では要因格差が 100/100、 95/100、90/100
の三指数以外は求められない結果、(b)~ (c)間の要因510mと990mはとも
に 95/100となる。
 同時に (a)490mと (b)510mでは100/100と95/100の格差を示してしまう。
数量化可能な定性的要因の比準手法には適しているが、距離条件や規模・間
口・奥行等数値で把握できる価格形成要因の比準には適していない。
 尚、上記比準表における、要因最小値は0mであり、最大値(限界値)は
9999mである。
 リニア手法で要因(b区分)690mである場合の評価対象地格差評点は、
以下の計算式により求められる。
(c評点-b評点)÷(c区分-b区分)×(対象要因-b要因)+b区分評点
=[-10点-(-5点)]÷[1000m-500m]×[690m- 500m(b)]+(-5点)
=- 6.9点( 93.1/100)
 この場合に事例地要因が(a区分)350mであれば、事例地の格差評点は
-3.5点(96.5/100)である。
この両者の相対格差は( 96.5/100)÷(93.1/100=(103.7/100)である。
また、事例地要因が (c区分)2500mであれば、事例地の格差評点は
-13.3点 (86.7/100)である。
この両者の相対格差は(86.7/100)÷(93.1/100)=(93.1/100)である。
※リニア比準表の要因区分と格差評点構成
 リニアモデルにおける比準表構成は各要因区分もしくは比準評点のいずれ
か又は双方において、等差数値で構成するものではなく、等比数列的配置を
行う。これは、各要因が価格形成に与える影響の度合が要因区分において異
なるからである。
 例えば駅までの距離を検討するときに、近接するほど距離差に帰因する価
格差が大きく、駅から遠ざかるほどに距離差に帰因する価格差が小さくなる
からである。

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