岐阜会のブロードバンド化

【茫猿遠吠・・岐阜会のブロードバンド化・・04.04.21】
 岐阜県士協会では、部会創設二十五周年を記念する事業の一つとして、士協会情報基盤のブロードバンド化を推進しようとしています。
 その事業目的は二十五周年記念事業の一環として、士協会の情報関連基盤の整備更新を行い、重複、旧式化したり、本来の利用方法がなされていないシステムを統合し全面更新することにあります。 同時に紙の無駄な使用を減らして、環境保全に協力するとともに、士協会資産の有効活用を図ることにあります。


 二十五周年記念式典にご参会の皆様をはじめ各地からお問い合わせもございますことから読者諸氏のご参考までに、この事業の概要をご案内しようと存じます。
岐阜会の進めようとするブロードバンド化をご説明する前に、先ず、現在の岐阜会情報基盤をご案内しましょう。ご案内を判り易くするために、先頃終了しました2004年地価公示の業務日程にしたがって、情報基盤がどのように利用されるかをご案内したいと考えます。
一、地価公示日程の案内
 分科会の開催日程、開催に伴う準備資料、資料提出案内等々多くの資料を幹事から配布を受けたり、幹事に納付したり致します。これらの業務は一般的にはファクシミリあるいは郵書にて案内を受けたり、FD(フロッピーディスク)で配布又は納めたり致します。
 岐阜会では一般公衆デジタル回線(ISDN)を利用したネットワークを既に形成し利用しています。通常、岐阜ではこれをWANと呼称しています。WANとはLANに対比する用語で Wide Area Network の略称です。「広域通信網」の略語であり、電話回線や専用線を使って、本社-支社間など地理的に離れた地点にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りすることを云います。会員事務所間がネットワークケーブルで接続された状態をイメージして下さい。
 岐阜会WANは、士協会事務局にサーバーを置き、このサーバーに各会員事務所のクライアントPCを接続させることにより運用されています。接続回線はISDN-64KBです。WANスタート当初はアナログ回線接続会員もいましたが、程なくしてISDN接続に統一されました。アナログ電話回線利用では通信速度が最大33KB程度しか出ませんし、夕刻など混雑する時間帯はさらに速度が落ちますから、ISDNに統一されたのは当然のことでもあります。
※通信速度対比表
http://e-words.jp/p/r-speed.html
 WANの接続方法は、会員事務所から士協会事務局サーバー宛てにダイアルアップ接続します。モデム及びターミナルアダプター経由で事務局サーバーを呼び出すわけです。事務局サーバー側では会員のアクセスを認識しますとID及びパスワードを確認して、一端回線を切断します。
次いで改めて事務局側から会員事務所へ再接続します。この際に、会員事務所電話番号、ID、パスワードを確認します。これで、会員事務所PCと士協会事務局サーバーがピアツーピア状態で接続されます。この接続状態はファクシミリ通信と同じ状況ですから、機密漏洩の畏れはなく安全性100%に近い状態です。
 このWAN設置費用は、事務局サーバー及び会員事務所PCを除きますと、ISDN回線敷設と設定初期費用だけです。尚、事務局には接続回線数に応じたルーター設置が必要ですが、それ程多額にはなりません。
 接続通信費は、フレッツ接続ができませんから若干高くなりますが、接続頻度が高ければブロードバンド化を考えれば済むことです。また通信費の多くは事務局からのコールバック費用ですから、頻度の高い地価公示幹事や士協会役員にとっては通信費の軽減というか士協会負担という効果をもたらします。
二、データの配布
 各会員は、事務局サーバー - 2004公示フォルダー - 点検フォルダー
内に掲載されている各種の公示点検用データを取得します。
同時に、各会員から幹事宛に送付するデータを幹事の指定するフォルダーへ納めます。使い勝手は個々の事務所内でのLANとほぼ同じです。
配布交換するデータは、テキストデータを始め、表計算ファイル、データファイル、文書ファイル、地図写真等イメージデータなど、全てのデータの交換が可能ですが、通信速度の制約があり、通常は200~300KB程度のボリュームが限界です。1MBデータの交換も可能ですが、怖ろしく時間がかかりますから、後述するコールバック費用負担も含めて現実的ではありません。
※WANサーバー内の士協会フォルダーの状態は下記URLをご覧下さい。
 http://www.morishima.com/cgi-bin/k_data/pdf/bin/bin040426164918004.pdf
上記はPDFファイル447KBです。
 印刷はカラープリンター又はハーフトーン高密度印刷ですと、
 きれいに印刷できます。
三、日程表の配布等
 以上は、事務局サーバーに設けられた各目的別フォルダーを利用したデータの配布交換方法です。しかし、WANシステムには大きな弱点があります。
つまり、どのようなデータが幹事から配布されたか、あるいは会員が確認したかといった連絡ができないことです。 点検データを納めましたと電話したりファクシミリすると云った笑い話みたいな状況が出現します。
 この状態を抜け出すために、岐阜会ではWANの採用と同時に事務局サーバー内にグループウエアを導入しました。岐阜会が導入しているグループウエアはCybozuというソフトです。このソフトは、会員間のメッセージ連絡(回覧板と
も称します)、士協会スケジュール並びに会員スケジュールを週または月単位
で表示できます。さらに掲示板やファイル管理機能も持っています。
 詳細なCybozu機能説明は下記のURLから御覧頂きたいのですが、このグループウエアは全会員(全登録者)へ発信したり閲覧させたりできると同時に、各分科会毎にあるいは委員会毎にグループを作成して、分科会専用、委員会専用の回覧板や掲示板あるいはファイル管理ができます。
 具体的に云えば、ある案内文書を作成した場合に、その文書を誰に回覧するかを指定できます。事務局を含む全登録者に、全会員に、全評価員に、分科会員に、あるいは個人宛にと自在に指定できます。E-Maillの「To指定」「Cc指
定」、「Bcc指定」と同様です。
 各会員は原則として毎日あるいは少なくとも週に三回以上はCybozuにアクセスします。そして、各種の連絡を受け、その返事を書き込みます。
Cybozu回覧板は受信者の受信確認ボタン及びコメント欄が設けてありますから、受信者がボタンを押せば受信時間が表示されますし、コメント欄に返事を書き込めば、発信者はその閲覧記録を一覧できますから、未読者を直ちに特定できます。
 Cybozuは士協会サーバーに置かれていますから、コールバックシステムによって最大限の安全性が担保されていますが、最大の難点は士協会サーバーにアクセスしない会員には連絡できないことです。
 導入当初はCybozuに「◎○案内」を掲載しましたとファクシミリしなければならない状況もございましたが、現在では数日以上経過して閲覧確認しない会員がその結果として受ける不利益は、会員の自己責任という暗黙の了解が成立しています。
 

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