新制度連絡会メモ開示

【茫猿遠吠・・連絡会メモ・・04.10.18】
2004.10.15開催された新スキーム準備連絡会席上に於いて、説明された「新スキーム体制準備連絡会事務局メモ」概要である。


1.新スキーム体制準備連絡会メモ 2004.10.15
「新たな取引事例の収集・提供スキーム(案)について」
・法務省から土地鑑定委員会に異動通知の電子情報が渡される。
・これに基づく価格調査が本会宛に委託される。
・本会は、アンケート調査表を買主に発信して回答を得る。
・発信作業は専門業者に一括再委託して行う。
・このアンケート回答依頼状に、本会は、「回答結果を不動産鑑定評価等業務に利用する」旨を明示し、利用目的の開示と本人同意を得る。(個人情報保護法対応措置)
・この依頼状には、土地鑑定委員会の添え状がつく。
・添え状には、この調査が法務省の協力により異動通知の開示を受け行われ、その目的は、不動産市場の透明化、地価公示の精度向上など国民の公益に資するものである旨明記される予定。
以上から、二つの点が改善される
・第一点は、アンケートの元データが法務省によることと、調査目的の公益性を明確に説明できること。
・第二点は、アンケート調査に係る手間、ひま、資金が不要となること。
・回収されたアンケート結果は、委託専門処理業者により処理され電子情報として本会に提出される。
・この情報を、本会から各士協会に仕分けして渡して、士協会から仕分けして評価員へと配布する。(分科会幹事経由もあり)
・評価員はアンケート結果に基づく事例カード作りと、地価公示の鑑定評価書作成を行い、士会、本会を経由して土地鑑あて、提出する。
・事例カードは加工され、価格情報として国民に広く提供される。(この内容はB案相当、所在地の特定できない形式である)
(注)B案とは昨年計画された不動産価格情報開示案におけるB案である。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/03/030730/03.pdf を参照のこと
・なお、公示評価の内容についても、開示の拡大が行われる。
2.ここで留意しなければならない点は、二点ある。
・情報の受け渡しについて、守秘義務の観点、個人情法保護の観点から、万全の組織的・人的・物理的・技術的安全管理措置をとらねばならないこと。
・アンケート回収率の向上により事例カード作りの量が大幅に増えること。
・しかし、事例情報は我々の活動の基盤であり、他に渡すわけにはいかない。
この際、この新スキームの担い手となって、不動産鑑定士が国民の公益に役立っていることをアピールし、この制度の定着、発展に寄与したい。
この仕組みは、規制改革・民間開放推進三カ年計画(2004.03.19閣議決定)の中の重点項目であり、
※16年度に、法務省と連携し、現行制度の枠組みを活用して取引価格等を国民に提供するための仕組みを構築。
※17年度に、取引当事者の協力により、取引価格情報の調査・提供を実施。
※18年度に、価格情報の正確さが確保されること、個人情報保護の観点から情報提供方法に関する技術的側面が解決されること等を実績を通じて検証し、この結果を踏まえ、取引価格情報提供制度の法制化を目標に安定的な制度の在り方について検討し、結論を得る。(となっている)
法制化にたどり着ければ、不動産鑑定士の基盤はより強固になろう。
そのためにも、制度スタート後情報管理などで失敗は許されない。
3.現在の検討状況や今後のスケジュールについて
《スケジュール》
・先ず、試行の試行=平成17年地価公示作業の中で、東京都の複数の区で、本会名でアンケート調査実施。
ただし、法務省から異動通知の情報を受け取れる段階ではないので、異動通知情報は士会ベースで集めて、一括発信をするだけの試行に留まる。
・17年4月から、一部の地域で試行が行われる。
・試行地域は、国民の公益に繋がる観点から大都市圏が考えられており、東京、大阪、名古屋などの名前が出ているが情報管理などで失敗が許されないことから、確実に行えることを第一義に限定して実施することとなろう。
・その後、順次、範囲を広げ、3年程度のうちに全国で実施となろう。
早いに越したことはないが、無理は禁物。
・なお、登記情報の電子化が行われていないところについては、従来同様の調査となる見込みであるが、変更点についてはその有無を含め流動的。
《重要な検討課題》
(1)異動通知の情報を、アンケートの回答の有無にかかわらず、全部渡してもらうことを国に要請。
回答がなくとも、その取引が公示ポイントの近隣にあった場合、その取引の存在を担当評価員が知らないと困る。
例えば、開示請求があって、相手側がこの取引のことを知っていて、なぜ事例として使っていないのかなどと聞かれた場合、知らなかったとはいえないと思う。 また、回答がなくとも、取引の存在がわかれば、周辺調査により、取引内容がわかる場合もある。
地価公示の精度向上に役立てるには、このように、異動情報のナマ情報を網羅的に知っておく必要があると言うことである。
ただし、法務省・国土交通省とも、異動通知のナマ情報が外に漏れるようなことがあっては困るわけで、そうならない、情報管理をシステム面、人的な面で大丈夫と説明できる体制整備が前提となる。
システム面の対応と規程などのルール、個人情報保護のガイドライン、意識・知識の周知徹底のための研修、行動基準作りや、それらを遵守する旨の誓約書などが必要であると思われ、現在地価調査、資料、企画委員会で検討中。
(2)アンケート結果については、電子情報としてフォーマット化されたものだけでなく、回答を紙ベースでも担当者に渡してほしいと国に要請中。
電子情報に取り込めなかったはみ出し情報の中に、取引事情など価格判断に重要な情報がある場合がある。
なお、アンケートの項目などについては、地価調査委員会の愛知の小川委員、東京の熊倉専門委員、神崎専門委員にご参加いただいて検討を加えてきたが、制度的な枠組みの検討は、地価調査、資料、企画委員会の下部に設置した個人情報保護法対応小委員会で平行して検討を行っている。
資料の収集、管理及び閲覧規程の見直し
*情報提供制度のスタートに際し、また、来年4月の個人情報保護法施行に対応するため、現行の規程は抜本的な見直しが必要。
*すでに7月の段階で14の士協会・地域会からご意見をいただいている。
積極論、慎重論さまざまなご意見があった。
*しかし、この段階では、情報提供制度の概要をお話できるに到つていなかったため、規程見直し、体制整備について十分なご理解を得られなかったのではないかと受け止めている
*また、個人情報保護の観点についても、ご理解が十分進んでいなかったように感じられる。
*年内には、骨子を固めなければならないので、再度、ご意見をいただきたい。
*規定見直しの観点は次のとおり、
1.不動産取引情報提供制度への対応
2.個人情報保護法施行と守秘義務の徹底
3.共有財産である事例資料の管理共同責任の明確化
4.本会並びに士協会の位置付けの明確化
5.士協会間の相互主義
6.資料利用に必要な負担の実費主義である
*続いて、管理体制の強化策としては、
1.行動基準書の制定
2.誓約書の提出
3.義務研修制度と認定証
4.管理責任の明確化と罰則強化
5.利用目的の制限と利用結果の報告
6.補助者に対する管理監督責任の徹底
7.本会並びに士協会と個人・業者との管理責任の明確化
8.全国資料責任者会議の設置
9.16年度中に成案 17年度に予算措置と実行を掲げている。
さまざまなご意見があると思うが、是非事務局にお寄せいただきたい。
*12月7日の常務理事会において、オーソライズしたいのでご協力をお願いしたい。
個人情報保護法施行への対応
*9月21日の国土交通省のガイドライン公表を受け、9月28日、10月14日に個人情報保護法対応小委員会を開催し、鑑定業におけるガイドライン作りに着手。
*所管は企画委員会である。
*小委員会のメンバーは企画委員会、総務財務委員会、地価調査委員会、資料委員会の4委員会の委員など8名で構成され、資料委員会からは、東北・中部・近畿の3委員が参画している。
*主眼は業界のガイドライン作りであるが、事例資料の取扱の部分で、資料に関する規程見直し、体制整備と密接に関連している。
*小委員会の位置付けは、国土交通省のワーキングをかねるものであり、国と一体となってガイドラインや体制整備を議論していく。
*ポイントは事例情報に含まれる個人情報の安全管理のための、人的、組織的、物理的、技術的措置の内容である。
*情報漏えい防止や、不正アクセスからの防御など、一定のシステム対応措置が必要で、FDやメールのやり取りでは不十分との認識がある。
*なお、作業の一部については、専門のコンサルに委託し、最終的には弁護士の法的チェックを受ける方向である。
*士協会としても情報安全管理体制の強化や規程の見直しが必要となるので、議論の場を準備していただきたい。
*すでに、ご覧になっていると思うが、国土交通省のガイドラインをホームページで確認していただき、また、参考書で個人情報保護法の内容を把握していただきたい。
*すでにお読みの方も多いと思うが、有斐閣のジュリストブックQ&A個人情報保護法第2版を読みやすいのでお勧めしたい。
1200円で、70のQ&Aからなり、末尾には法律や施行令もついている。
事例資料などの収集・保管体制の実態確認調査の実施
*取引事例収集・提供の新スキームの受入、個人情報保護法対応の情報管理安全措置の実施に当たり、現在の各士協会の採られている体制 人的な体制、組織的な体制、物理的な体制、コンピュータシステムなどの技術的体制について実態確認調査を行う。
*従業員の情報持ち出しや外部からの不正浸入への備え、それをチェックする組織体制、システムへのアクセス規制など、これまでも特に問題となったことはなく十分な管理がなされていると思うが、この際確認を行い、進んでいるところの事例を参考として、必要な体制構築をお願いしていきたいと思っている。
*個人情報保護法施行後は、法律違反に対する罰則もあることから、士協会、地域会事務局などにおいても、不十分な部分は補完が必要となると思われる。(本会も改善点がある)
*外部コンサル、地価調査委員会、資料委員会、個人情報法対応小委員会の検討結果など、中間の段階においても、すぐご提供していくよう心掛けていくので、ご協力をお願いいたしたい。

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