ブランドイメージ

【茫猿遠吠:ブランドイメージ:05.03.03】
「ブランドイメージ」というマーケティング用語がある。
 iNetで検索するとブランドイメージとは、次のような概念である。
ブランドを「価値あるブランド」とするためには、ブランド認知とともに、消費者の記憶に価値あるものとして残るようなブランド・イメージが必要となる。
 ブランドイメージとは、消費者の記憶の中にあるさまざまなタイプのブランド連想の反映であると定義できる。ブランド連想にはさまざまなタイプがあるが、大きく分けて「属性」、「ベネフィット」、「パーソナリティ」の3つに分類することができる。
 ブランドイメージはこうしたさまざまなタイプのブランド連想が、消費者の頭のなかで価値あるものとして認識されたとき、ブランドを真に強いブランド力のあるものに変える。
 現代では、マーケティング分野におけるブランドの価値が注目されており、企業のブランド価格が計算されることもある。
仮に、法律違反や大規模な事故の発生など、何らかの不祥事を起こした場合には、企業のブランド価値は下がり、場合によっては企業の存続にかかわることもある。
・雪印乳業:集団食中毒事件と牛肉産地偽装事件により企業グループ解体。
・三菱自動車:セクハラ問題、総会屋事件、欠陥製品リコール隠しによる低迷。
・三井物産:排ガス浄化装置(DPF)のデータ偽造事件で強制捜査事件。
・三菱地所:土壌汚染隠しによる強制捜査事件
 いずれも日本どころか世界に名だたる名門企業であるが、永年にわたって営々として築いてきたブランドイメージをコンプライアンスを等閑にしたが故に、あっという間に崩し去り水泡に帰してしまった事件である。
まさに築くのに百年、崩すにはものの一日の時代なのである。
 不動産鑑定士も制度創設以来40年、鑑定評価と運命鑑定との違いを汗をかきながら説明した時代があり、地価公示を地下鉄工事と間違えられながら事例を収集した時代もありました。
今も様々な批判は浴びていますが、それは鑑定制度が社会に認知されてきたが故であり、制度が定着し存在感を増しつつあるからこその批判でしょう。
 そして、不動産鑑定士については、それなりのブランドイメージというものが出来上がりつつあると、茫猿は考えます。また、その程度の自負や自信を持ち始めても宜しかろうと考えます。
 でも、こういったブランドイメージというものは、築くに百年、崩壊に一日だと考えます。現在進行中の個人情報保護法ガイドライン準拠対策を怠った結果、何処かで情報漏洩事故を起こせば、我々不動産鑑定士のブランドイメージは直ちに崩壊してしまうでしょう。
 即ち高度な職業専門家、不動産の専門家、隣接法律専門職といった、社会が我々鑑定士に対して抱き始めたイメージは、情報漏洩事故1件で消し飛んでしまいます。その後に再度ブランドを築いてゆくことがどんなに困難なことであるのか、どんなに多くの労力と経費を要することか。
 その恐怖を想像すれば、今回の個人情報保護の為に、その安全管理措置を十全に行うために、不動産鑑定士一人一人がことの重要性を認識し、労力と費用を惜しまないことが求められていると考えます。ブランド・ダメージ・リスクを考えれば、一人当たり五万や十万の情報漏洩対策費など安いものだと考えますが、いかがなものでしょうか。
 我々は常に、そのセンス、センサー、スピリットが問われているのです。
今は、ブランドイメージを大切にするセンス
そして、危機管理対策へのセンサー、
さらに、コンプライアンス・スピリットが問われていると考えます。

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