コンプライアンスは誰の為

【茫猿遠吠:コンプライアンスは誰の為:05.03.24】
コンプライアンス(法令遵守)の確立について、
茫猿の愚考を少しばかり申し上げます。
コンプライアンス(法令遵守)については、鑑定協会が第240回理事会(平成17年1月18日)において承認し公布する「資料の収集・管理・閲覧・利用に関する行動基準書」において、詳細に記述されているものである。
ここに示される「法令遵守姿勢」は鑑定協会や士協会あるいは、新スキームの安全性確保のための取るべき行動基準のように受け取られがちであるが、実はそればかりではなくて、不動産鑑定士自身の為のものでもある。
コンプライアンスを確立してゆくことは、従来型の様々な仕様や仕組みから訣別することであり、その過程では面倒なことが多いのである。
しかし、そのことによって、会員自身のスキルの向上につながるし、
漏洩や事故等についてのリスク認識は各種資料への意識の向上につながる。
そして、何よりも不測の事態から会員を守る大きな力となるのである。
例えば
・事務所への窃盗者侵入事故
・車上狙いや置き引き事故
・不注意による置き忘れ事故
・不注意による発送発信事故
・不注意によるPC、FD、MO、CD並びに紙資料の廃棄処分事故
いずれも、法令や規範を遵守して、個人情報に関連する紙資料の利用保管や、ノートパソコンをはじめとする携帯可能メデイアの利用保管について、最大限の注意を払っていれば、偶発的事故に遭遇しても、こと資料に関しては無事なのである。
偶発的な事故は誰もが遭遇する可能性があると云えるのだが、
法令遵守は様々な偶発的事故による被害を防止する大きな抑止力となり、会員自身が救われることに、留意して頂きたいものである。
まさに「コンプライアンスは、人の為ならず。」である。
そこで、個人情報関連情報(資料)は、持たないのが一番である。
トハ云っても、業務上持たざるを得ない場合が多いのであるが、その場合に重要なのは、最小限の情報を最短期間保有するに止めると云うことである。必要な情報は安全な場所に集中管理しておくべきで、個々の事務所が保管・管理する時代は終わってしまったということを理解すべきである。

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